「決済画面まで進んだのに購入されない」——チェックアウトの離脱は、ユーザーが止まっている地点を特定しないと直せません。 決済手段を増やしても、原因が別なら何も変わりません。
本記事では、離脱が起きる8つの地点を放棄理由の一次データから整理し、優先順位をつけて改善する手順を解説します。
記事のポイント
- カート放棄率の一次データ(50調査の平均70.22%)
- 放棄理由の内訳から決まる改善の優先順位
- 離脱する8つの地点と対応施策
- 最大の原因は「追加費用が高い」(40%)
- 決済画面は計測しづらい。どう測るか
目次
- チェックアウトの離脱はどのくらい起きているか
- 放棄理由から優先順位を決める
- 離脱する8つの地点と施策
- 決済画面の離脱をどう測るか
- やってはいけない改善
- Dejamでチェックアウトを改善する
- よくある質問
- まとめ
チェックアウトの離脱はどのくらい起きているか
カート放棄率の平均は70.22%です。 これはBaymard Instituteが50件の調査を集計した数値です(出典: Baymard Institute: Cart Abandonment Rate Statistics)。
まず押さえるべきは、放棄の多くが「そもそも買う気がなかった」ことです。 同調査では、米国のオンラインショッパーの42%が「見ていただけ・買う準備ができていなかった」を理由に挙げています。
この42%は改善対象ではありません。 比較検討のためにカートを使っているユーザーで、カートはブックマーク代わりに機能しています。
改善対象は、買う意思があったのに止まった層です。 次節の内訳がその層の理由です。
EC全体のCVR改善の全体像は「ECサイトのCVR改善ガイド|業界別平均・カゴ落ち対策と売上を伸ばす施策15選」、カゴ落ちの概念整理は「カゴ落ちとは?意味から具体的な活用法まで徹底解説」を参照してください。
放棄理由から優先順位を決める
Baymard Institute が公表している放棄理由の内訳(「見ていただけ」を除く)は次のとおりです。
| 放棄理由 | 割合 |
|---|---|
| 追加費用が高い(送料・税・手数料) | 40% |
| 配送が遅すぎた | 20% |
| クレジットカード情報をサイトに預けるのが不安だった | 19% |
| アカウント作成を求められた | 18% |
| チェックアウトが長すぎる・複雑すぎる | 17% |
| サイトにエラーがあった・クラッシュした | 17% |
| 返品ポリシーに納得できなかった | 13% |
| 合計金額を事前に確認・計算できなかった | 12% |
| カードが拒否された | 10% |
| 決済手段が足りなかった | 9% |
(出典: Baymard Institute: Cart Abandonment Rate Statistics)
この表から読める優先順位は明確です。
第1位は費用の見せ方です。 「追加費用が高い」40%と「合計金額を事前に確認できなかった」12%は同じ原因から来ています。決済の最終画面で初めて送料が出る設計です。
第2位はアカウント作成(18%)と手順の長さ(17%)です。 どちらも「購入に不要な作業」です。
決済手段の追加は9%で最下位です。 よく最初に検討されますが、実装コストが最も高く効果が最も小さい選択です。後回しにしてください。
離脱する8つの地点と施策
①カート投入前 — 送料が分からない
| 施策 | 効果 |
|---|---|
| 商品詳細ページに送料を明示する | 最終画面での不意打ちがなくなる |
| 送料無料ラインまでの残額を表示する | 追加購入の動機にもなる |
| 配送予定日を商品ページに出す | 「配送が遅い」による離脱(20%)を前倒しで解消 |
公開事例では、トップページに送料無料の通知を表示した結果、トラフィック当たりのトランザクションが18%上昇、収益28%増加、訪問者1人当たりの収益23%増加を記録しました(信頼度95%、7,000人・21日間、OmniConvert / AliveCor。出典: 【ABテスト事例】送料無料のお知らせ。有りと無しではどちらが効果的? - DLPO)。
送料無料ラインそのものの決め方は「送料無料ラインの決め方」で扱います。
②カートページ — 合計金額が確定しない
| 施策 |
|---|
| 送料・税・手数料を含む合計をカートページで確定表示する |
| 送料計算を「郵便番号入力で即時反映」にする |
| クーポン入力欄を閉じた状態にする(持っていない人に損失感を与えない) |
クーポン入力欄が目立つと、持っていないユーザーは「損をしている」と感じて検索に離脱します。 アコーディオンで閉じておくのが定石です。
③会員登録の要求 — 18%の原因
| 施策 |
|---|
| ゲスト購入を可能にする |
| 購入完了後に「パスワードを設定すると次回が楽になります」と案内する |
| SNS・メールのワンタイム認証に置き換える |
「購入前に登録」を「購入後に登録」へ移すだけで18%の理由が消えます。 会員化の目的がLTVなら、完了ページでの案内でも達成できます。完了ページの設計は「購入完了ページの設計」を参照してください。
④入力項目 — 17%の「長すぎる・複雑」
| 施策 |
|---|
| 郵便番号からの住所自動入力 |
| 不要項目の削除(電話番号・生年月日・会社名) |
| 請求先住所を「配送先と同じ」をデフォルトにする |
| 入力欄のキーボード種別を指定する(数値・メール) |
| ステップを分割して1画面の項目数を減らす |
項目を削るのが最優先です。 公開事例では1ステップフォームを2ステップに分割してCV数が30%増加していますが(信頼度95%、Adaptive Insights)、これは項目数を変えずに分割した場合です。 項目が多いまま分割しても効きません。
フォームの検証手順は「フォームのABテスト(EFO)でCV率を上げる方法」にまとめています。
⑤エラー表示 — 17%の「エラー・クラッシュ」
| 施策 |
|---|
| リアルタイムバリデーション(送信後に戻さない) |
| エラー箇所を該当フィールドの直下に出す |
| 入力内容を保持する(エラーでフォームを空にしない) |
| 決済エラー時に別の決済手段を案内する |
「エラーでフォームが空になる」は最悪の体験です。 一度起きたユーザーはほぼ戻りません。
⑥信頼の担保 — 19%の「カード情報が不安」
| 施策 |
|---|
| SSL・決済代行のロゴを決済画面に表示する |
| 第三者認証(ISMS・Pマーク等)を表示する |
| カード情報を保持しないことを明記する |
| 運営者情報・問い合わせ先を決済画面からも辿れるようにする |
⑦返品・保証 — 13%の「返品ポリシー」
| 施策 |
|---|
| 返品条件を決済画面に要約して置く |
| 返品送料の負担者を明記する |
| 「◯日間返品可」を1行で示す |
返品ポリシーを別ページに隠すと、確認のために離脱します。 要約を決済画面に置いてください。
⑧決済手段 — 9%(最後に着手)
| 施策 |
|---|
| 主要なキャリア決済・コード決済を追加する |
| 後払い・代引きを追加する |
| カード以外の選択肢を決済画面の上部に出す |
実装コストが最も高く、効果が最も小さい領域です。 ①〜⑦を終えてから検討してください。
決済画面の離脱をどう測るか
チェックアウトは計測が難しい領域です。 理由は2つあります。
1つ目。カート・決済画面が外部ドメインにあることがある。 決済代行のホスティングページに遷移すると、自社ドメインの計測が途切れます。クロスドメイン計測の設定が必要です。 手順は「GA4のクロスドメイン計測の設定方法」を参照してください。
2つ目。ステップごとの離脱が見えない。 ページ単位の離脱率では「どの入力欄で止まったか」が分かりません。
| 測り方 | 分かること |
|---|---|
| GA4のeコマースイベント | begin_checkout → add_shipping_info → add_payment_info → purchase の各段階の到達数 |
| ファネルデータ探索 | どのステップで何%落ちたか |
| ヒートマップ(離脱・熟読) | 画面内のどこで止まっているか |
| クリックイベント計測 | どのボタン・どの決済手段が押されたか |
GA4のファネルで「どのステップか」を絞り、ヒートマップで「画面内のどこか」を特定するのが最短です。設定は「GA4のeコマース計測の設定方法」「GA4ファネルデータ探索の作り方」を参照してください。
やってはいけない改善
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 確認画面をスキップして注文を確定させる | 誤注文が増え、返品・クレームのコストが上がる |
| 解約・キャンセルの手順だけ多段化する | ダークパターンの「妨害型」に当たる |
| オプションを初期選択ONにする | 意図しない追加購入は規制対象 |
| 送料を最終画面まで隠す | 放棄理由の第1位を自ら作っている |
| 「残り1点」を在庫と無関係に出す | 実態と乖離した希少性は規制対象 |
「カゴ落ちを減らす」目的で誤注文を増やす改善は成立しません。 類型の整理は「ダークパターン30選と改善案」、希少性の使い方は「希少性の原則とは?」を参照してください。
Dejamでチェックアウトを改善する
ヒートマップ
離脱ヒートマップで、決済画面のどこで止まっているかが5%刻みで分かります。 GA4のファネルで「どのステップか」を絞った後、画面内の位置を特定する工程をここで行います。クリックイベント計測では決済手段ごとのクリック数も取れます。
ABテスト
決済画面の文言・項目の並び・信頼要素の配置をノーコードで検証できます。「返品ポリシーの要約を決済画面に足したパターン」のような小さな追加から試せます。
ポップアップテスト
カートページでの離脱に対して、送料無料ラインまでの残額提示などを出し分けて検証できます。表示タイミングは滞在時間の中央値から決めます。検証方法は「ポップアップのABテスト」を参照してください。
よくある質問
Q. カート放棄率の平均はどのくらいですか?
A. **70.22%です(Baymard Instituteが50件の調査を集計した数値)。ただしこのうち42%は「見ていただけ・買う準備ができていなかった」**が理由で、改善対象ではありません。
Q. 決済手段を増やせばカゴ落ちは減りますか?
A. 効果は最も小さい領域です。 放棄理由のうち「決済手段が足りなかった」は9%で最下位です。実装コストが最も高いため、費用の見せ方(40%)やアカウント作成の要求(18%)を先に直してください。
Q. 何から直すべきですか?
A. 送料・税・手数料を含む合計金額を、決済の最終画面より前に確定表示することです。 「追加費用が高い」40%と「合計を事前に確認できなかった」12%が同じ原因から来ています。
Q. ゲスト購入は必須ですか?
A. 放棄理由の18%が「アカウント作成を求められた」です。 会員化の目的がLTVなら、購入完了後に「パスワードを設定すると次回が楽です」と案内すれば達成できます。購入前の必須化をやめるだけで18%の理由が消えます。
Q. 決済画面の離脱はどう計測しますか?
A. GA4のeコマースイベントでステップを絞り、ヒートマップで画面内の位置を特定します。 決済代行の外部ドメインに遷移する場合は、クロスドメイン計測の設定が必要です。
まとめ
チェックアウト(決済フロー)の最適化について、要点を整理します。
- カート放棄率の平均は70.22%(50調査の集計)
- ただし42%は「見ていただけ」。改善対象ではない
- 最大の原因は「追加費用が高い」40%。合計金額を最終画面より前に確定表示する
- 次がアカウント作成の要求18%と手順の長さ17%
- 決済手段の追加は9%で最下位。 コストが最も高く、最後に着手する
- クーポン入力欄は閉じた状態にする(持っていない人に損失感を与えない)
- エラーでフォームを空にしない。 一度起きたユーザーは戻らない
- 返品ポリシーは決済画面に要約を置く
- 計測はGA4のファネルでステップを絞り、ヒートマップで画面内を特定する
- 外部ドメインの決済画面はクロスドメイン計測が必要
- 確認画面のスキップや解約の多段化はダークパターン。 カゴ落ち対策として成立しない
CVR改善ならDejam!ステップと画面内の位置を両方特定する
Dejamは、LP制作・ヒートマップ分析・ABテスト・AI自動解析をオールインワンで提供するCVR改善特化ツールです。「決済画面で落ちているが原因が分からない」という段階から、地点を特定して改善するまでを総合支援します。
Dejamが選ばれる理由
- ワンプロダクトで完結: LP制作・ヒートマップ分析・ABテストをすべて単一ツールで実施
- 月額3万円〜利用可能: オプティマイズプラン月額3万円〜 / CMSプラン月額5万円〜 / オールインワン月額12万円〜
- ユーザー課金なし: 何名で使っても追加費用は発生しない
- ISMS認証取得: ISO/IEC 27001:2022 & JIS Q 27001:2023認証取得済み
- 毎週アップデート: 市場トレンドとユーザーリクエストに応じて機能を毎週拡充
- 権威ある実績: 代表がダイレクトアジェンダで2連覇。LPO顕彰制度「LPO AWARD」主催者
Dejamの主要機能
- LP/記事LP制作: ノーコード・コードの切り替えに対応。AIで生成したコードを直接取り込み可能
- ヒートマップ: 5種類(クリック/クリックイベント/熟読/滞在/離脱)。データ保存期間無制限
- ABテスト: デザイン変更テスト・リダイレクトテスト・ポップアップテストの3種類。AIが自然言語でテストコードを自動生成
- 自動解析: どのコンテンツがCVRに貢献しているかAIが自動解析。ゴールデンルート機能でページ遷移の最適パスも特定
- プロジェクト管理: 改善施策の進捗をチームで共有できる
GA4は「どのステップで落ちたか」まで、ヒートマップは「画面内のどこで止まったか」まで分かります。 この2つを行き来しないとチェックアウトの原因は特定できません。


