「LPのどこが効いているのか分からないまま、CTAの位置や文言を変え続けている」——改善の根拠がない状態です。
「どの位置を読んだ人がCVしたか」が分かれば、情報の並び順そのものを数字で決められます。 読まれてもCVにつながっていないセクションは短くし、CVに効いている情報は上へ動かす、という判断ができます。
この計測は可能です。 ただし方法が2つあり、測っているものが違います。 本記事では実装手順と、その違いによる限界を解説します。
記事のポイント
- 「どこを読んだ人がCVしたか」を測る2つの方法
- GA4+GTMで実装する手順
- スクロール到達と熟読はまったく別物という核心
- どちらの精度が自社に必要かの判断
- 測れた後、LPをどう直すか
目次
- なぜこの計測が必要なのか
- 測る方法は2つある
- 方法1: GA4+GTMで実装する
- GA4方式の5つの限界
- 「到達」と「熟読」はまったく別物
- 方法2: 熟読ベースで測る
- どちらを選ぶべきか
- 測れた後に何を判断するか
- 相関と因果を区別する
- よくある質問
- まとめ
なぜこの計測が必要なのか
LP改善で「どこを直すか」を決めるとき、多くの場合は推測で決めています。
- 「ファーストビューが最重要だから、まずそこを変えよう」
- 「事例は下のほうにあるから、上に持ってこよう」
これらが正しいかどうかは、測らなければ分かりません。
一方、「どの位置を読んだ人がCVしたか」が分かれば、次のような判断が数字でできます。
| 分かること | 打てる手 |
|---|---|
| 特定の位置を読んだ人のCVRが高い | その情報を上へ動かす |
| 読まれているがCVRに差がない | そのセクションを短くする / 削る |
| 下部まで読んだ人だけCVRが高い | 下まで読ませる導線を作る |
| 位置によって差がない | 情報の並び順ではなく、内容そのものを疑う |
最後の行が重要です。 「差がなかった」という結果にも意味があります。並び替えに工数を使う前に分かれば、それだけで価値があります。
測る方法は2つある
この2つは、測っているものが違います。
| 方法1: スクロール到達ベース | 方法2: 熟読ベース | |
|---|---|---|
| 何を記録するか | その位置まで到達したか | その位置に一定時間とどまったか |
| 実装 | GA4 + GTM | ヒートマップツール |
| 費用 | 実装工数のみ | ツール費用 |
| 速く通過した人 | 「到達」に含まれる | 含まれない |
| 粒度 | 設定した刻み(10%が一般的) | ツールによる |
「速く通過した人をどう扱うか」が決定的な違いです。 後述します。
方法1: GA4+GTMで実装する
GA4でも測れます。 「GA4では分からない」という説明を見かけますが、正確ではありません。実装すれば近いことはできます。
ステップ1: スクロール深度を細かく送る
GA4の拡張計測機能は、既定ではページの90%到達時に1回だけ発火します。これでは粒度が足りません。GTMで刻みを設定します。
- GTMの組み込み変数から
Scroll Depth Thresholdを有効化 - トリガー「スクロール距離」を作成し、割合に
10,20,30,40,50,60,70,80,90,100を入力 - GA4イベントタグを作成(イベント名:
scroll_depthなど) - イベントパラメータに
percent_scrolled={{Scroll Depth Threshold}}を設定
拡張計測機能の scroll と同じ名前にしないでください。 データが混ざります。
詳しい手順は「【2026年版】GA4でクリック・スクロールを計測する方法|GTMでの実装手順と限界」で解説しています。
ステップ2: カスタムディメンションに登録する
この作業を飛ばすと、レポートで軸として使えません。
「管理」→「データの表示」→「カスタム定義」→「カスタムディメンションを作成」で、percent_scrolled をイベントスコープで登録します。
登録前のデータには遡及しません。 実装と同時に登録してください。詳細は「【2026年版】GA4のカスタムディメンションとは?設定方法・スコープの選び方と上限」で解説しています。
ステップ3: 探索レポートで見る
- 「探索」→「空白(自由形式)」
- ディメンション:
percent_scrolled - 指標: セッション、セッションのキーイベント率
- 行にディメンション、値に指標を配置
これで「◯%まで到達したセッションのCVR」が並びます。
作り方は「【2026年版】GA4探索レポートの使い方|CVR改善に効く5つの型と作成手順を解説」にまとめています。
GA4方式の5つの限界
実装できることと、実用に足ることは別です。 事前に把握しておいてください。
1. イベント数が大幅に増える
10%刻みなら1セッションあたり最大10イベントが追加されます。5%刻みにすれば20です。
対象ページを絞ってください。 サイト全体で有効にすると、イベント数が膨らみます。
2. カスタムディメンションの上限を消費する
イベントスコープのカスタムディメンションは50個までです。1枠を恒久的に使うことになります。
3. 過去に遡れない
実装した日以降のデータしか見られません。 「先月のLPはどうだったか」は分かりません。
4. データしきい値の影響を受ける
細かく刻むほど各区分の母数が減り、Googleシグナル有効時は数値が伏せられることがあります。切り分け方は「【2026年版】GA4でデータが表示されない原因|しきい値と保持期間の設定を確認する」で解説しています。
5. そして最大の限界が、次章です
「到達」と「熟読」はまったく別物
ここが本記事でもっとも重要な部分です。
GA4のスクロール計測が記録するのは「その位置まで到達したか」です。そこを読んだかどうかは、記録していません。
何が起きるか
| ユーザーの行動 | GA4の記録 | 実際 |
|---|---|---|
| 上から順に読んで50%地点まで来た | 50%到達 | 読んだ |
| 一気に最下部までスクロールして戻った | 100%到達 | ほぼ読んでいない |
| 目次から下部へジャンプした | 到達扱い | 途中を読んでいない |
| 読み込み直後に誤って弾みでスクロールした | 到達扱い | 読んでいない |
「最下部まで一気にスクロールして離脱した人」が、「最後まで読んだ人」と同じ扱いになります。
なぜこれが問題になるか
「LPの下部を見た人はCVRが高い」という結果が出たとして、それが「下部を読んだから」なのか「そもそも熱心な人が最後までスクロールしただけ」なのかを区別できません。
さらに、速く流し読みした人が多いページほど、到達率が高く出ます。 実際には読まれていないのに、数字の上では「よく読まれているページ」に見えます。
改善の根拠として使うには、この曖昧さが致命的になる場合があります。
方法2: 熟読ベースで測る
「到達したか」ではなく「一定時間とどまったか」で記録する方法です。ヒートマップツールが該当します。
Dejamの場合、4秒以上停止した位置を熟読として集計します。一気にスクロールして通過した位置は含まれません。
さらに、その位置を熟読したセッションが最終的にCVしたかを紐づけた指標を「貢献CVR(経由CVR)」と呼びます。
貢献CVR = その位置を熟読したセッションのうち、CVしたセッションの割合
計算そのものは単純です。セグメント別のCVRであり、複雑な重み付けではありません。
「最後の一押し」だけを見る問題
Dejamがこの指標をリリースした際の説明が、考え方をよく表しています。
これまでCVRは「最後の一押し」だけが評価されがちでしたが、実際のユーザー行動はもっと連続的です。コンバージョンに至るまでの”途中の貢献”を可視化できるようにしました。
これは媒体をまたぐアトリビューションの議論と同じ構図です。広告では「最後にクリックされた広告」だけが評価されがちですが、LPの中でも「最後に押されたCTA」だけが評価されがちです。
アトリビューションの考え方は「【2026年版】アトリビューション分析とは?モデルの種類とGA4で使えるのが2つだけになった理由」で解説しています。
どちらを選ぶべきか
精度と費用のトレードオフです。
| 状況 | 向いている方法 |
|---|---|
| 既にGA4とGTMを運用していて、ツールを増やしたくない | GA4方式 |
| 粗い傾向で十分。まず何か測りたい | GA4方式 |
| 「流し読み」と「熟読」を区別したい | 熟読ベース |
| 改善の根拠として意思決定に使う | 熟読ベース |
| 過去のデータも見たい | 熟読ベース(ツール導入後の蓄積による) |
| 対象ページが多い | 熟読ベース(ページごとの実装が不要) |
まずGA4方式で試して、粒度が足りなければツールを検討するという順序が現実的です。
いきなりツールを入れる前に、GA4で「そもそも位置による差が出るのか」を確認する価値はあります。差が出なければ、並び替えより先に内容そのものを見直すべきという判断になります。
測れた後に何を判断するか
測ることが目的ではありません。 出た結果から打ち手を決めます。
| 出た結果 | 打つ手 |
|---|---|
| 特定の位置を読んだ人のCVRが突出して高い | その情報を上へ動かす。読まれる前に離脱している人に届ける |
| 読まれているがCVRに差がない | そのセクションを短くする。長さがボトルネックの可能性 |
| 下部まで読んだ人だけCVRが高い | 下まで読ませる導線(目次・アンカー)を追加する |
| 位置による差がまったく無い | 並び順の問題ではない。 内容・訴求・価格そのものを疑う |
| 上部の熟読率が低い | ファーストビューで離脱している。並び替え以前の問題 |
最後から2番目が重要です。 「差が無かった」という結果は失敗ではありません。並び替えに工数を使わずに済むという判断材料になります。
相関と因果を区別する
測って分かるのは相関であって、因果ではありません。
「事例セクションを読んだ人のCVRが3倍高い」というデータは、次の2つを区別できません。
- 事例を読んだから、CVした
- もともと検討度が高い人が、事例まで読んだ
2の可能性が常にあります。 「事例を上に動かせばCVRが3倍になる」とは言えません。
確かめる方法はABテストだけです。 事例を上に動かしたパターンと元のパターンを、同一期間・同一条件で比較します。
期間比較(変更前後)では、季節性や流入構成の変化を分離できません。ABテストの進め方は「【2026年版】ABテストとは?基本の仕組み・やり方・成果を出すポイントを初心者向けに解説」で解説しています。
「測る → 仮説を立てる → ABテストで検証する」までが1セットです。
Dejamで熟読とCVを紐づけて見る
ヒートマップ
熟読・滞在・離脱・クリックを、ページ高さ5%刻みで可視化します。熟読は4秒以上の停止を集計対象とするため、一気にスクロールして通過した位置は含まれません。
さらに、その位置を熟読したセッションのCVRを「貢献CVR(経由CVR)」として同じ画面で確認できます。行動と成果を並べて見られるため、画面を行き来せずに改善の優先順位を判断できます。
ABテスト
測って立てた仮説を、そのまま検証に移せます。 相関を因果として確かめる唯一の手段です。分析ツールと検証ツールが別だと、仮説を実装に移すたびに手間が発生します。
LP・記事LP制作
情報の並び順を変える作業を、エンジニアの手を借りずに行えます。 「事例を上に動かす」といった変更を、その場で試せます。
よくある質問
Q. GA4では「どこを読んだ人がCVしたか」は測れないのですか?
A. 測れます。 GTMでスクロール深度を細かく送り、カスタムディメンションに登録すれば、探索レポートで「◯%まで到達したセッションのCVR」を出せます。「GA4ではできない」という説明は正確ではありません。
Q. ではGA4方式で十分ですか?
A. 用途によります。GA4が記録するのは「到達したか」であって「読んだか」ではありません。 一気に最下部までスクロールして離脱した人も「100%到達」として記録されます。流し読みと熟読を区別したい場合は不十分です。
Q. スクロール到達と熟読はそんなに違いますか?
A. 違います。「LPの下部を見た人はCVRが高い」という結果が出ても、「下部を読んだから」なのか「熱心な人が最後までスクロールしただけ」なのかを区別できません。 改善の根拠として使う場合、この曖昧さが問題になります。
Q. 5%刻みで計測すべきですか?
A. GA4方式なら10%刻みで十分です。5%にすると1セッションあたり20イベントが追加され、イベント数が膨らみます。対象ページも絞ってください。
Q. 過去のデータでも分析できますか?
A. できません。 GA4方式ではカスタムディメンションの登録日以降のデータのみが対象です。ヒートマップツールも、導入後に蓄積されたデータからになります。早く始めるほど有利です。
Q. 「位置による差が無い」という結果が出たら失敗ですか?
A. 失敗ではありません。並び順の問題ではないと分かったという結果です。並び替えに工数を使う前にそれが分かれば、内容・訴求・価格といった本質的な部分に取り組めます。
Q. 測った結果をそのまま施策にしていいですか?
A. 相関であって因果ではありません。 「事例を読んだ人のCVRが高い」のは、事例が効いたのか、もともと検討度が高い人が読んだのかを区別できません。ABテストで検証してから判断してください。
まとめ
「LPのどこを読んだ人がCVするのか」の測り方について、要点を整理します。
- 測る方法は2つ。スクロール到達ベースと熟読ベース
- GA4でも測れる。 「GA4ではできない」は正確ではない
- GA4方式はGTMでスクロール深度を送り、カスタムディメンションに登録して探索レポートで見る
- GA4方式の限界は「イベント数の増加」「上限の消費」「過去に遡れない」「しきい値」
- 最大の限界は「到達 ≠ 熟読」。 一気にスクロールして通過した人も「到達」に含まれる
- 「下部を見た人はCVRが高い」が、読んだからか熱心な人だからかを区別できない
- 熟読ベースは「一定時間とどまったか」で記録する。Dejamは4秒以上の停止が対象
- 貢献CVR = その位置を熟読したセッションのCVR。複雑な重み付けではない
- まずGA4方式で「位置による差が出るか」を確認するのが現実的
- 「差が無い」も有効な結果。 並び替えに工数を使わずに済む
- 測って分かるのは相関。 因果を確かめるにはABテストが要る
CVR改善ならDejam!行動と成果を、同じ画面で見る
Dejamは、LP制作・ヒートマップ分析・ABテスト・AI自動解析をオールインワンで提供するCVR改善特化ツールです。「どこを直すか推測で決めている」という段階から、本格的なPDCAを回して成果を最大化するまでを総合支援します。
Dejamが選ばれる理由
- ワンプロダクトで完結: LP制作・ヒートマップ分析・ABテストをすべて単一ツールで実施
- 月額3万円〜利用可能: オプティマイズプラン月額3万円〜 / CMSプラン月額5万円〜 / オールインワン月額12万円〜
- ユーザー課金なし: 何名で使っても追加費用は発生しない
- ISMS認証取得: ISO/IEC 27001:2022 & JIS Q 27001:2023認証取得済み
- 毎週アップデート: 市場トレンドとユーザーリクエストに応じて機能を毎週拡充
- 権威ある実績: 代表がダイレクトアジェンダで2連覇。LPO顕彰制度「LPO AWARD」主催者
Dejamの主要機能
- ヒートマップ: 5種類(クリック/クリックイベント/熟読/滞在/離脱)。熟読は4秒以上の停止が対象
- 貢献CVR(経由CVR): その位置を熟読したセッションのCVRを、ヒートマップと同じ画面で確認できる
- ABテスト: 立てた仮説を同一期間・同一条件で検証できる
- LP/記事LP制作: 情報の並び順をエンジニアなしで変えられる
- 自動解析: どのコンテンツがCVRに貢献しているかAIが自動解析
GA4方式では「到達したか」までしか分かりません。行動と成果を同じ画面で並べて見られると、改善の優先順位を判断する時間が大きく短縮されます。


