「ラストクリックだけで広告を評価していると、実は成果に貢献しているチャネルを止めてしまう」——これがアトリビューション分析の出発点です。
ただし、多くの解説記事がいまだに6つのモデルを紹介していますが、GA4とGoogle広告で実際に使えるのは現在2つだけです。4つは廃止されています。本記事では現在の実態に沿って、アトリビューション分析の考え方と使い方を解説します。
記事のポイント
- アトリビューション分析とは何か、なぜ必要なのか
- 間接効果(アシストコンバージョン)の考え方
- GA4とGoogle広告で使えるモデルは現在2つだけ(4つは廃止済み)
- データドリブンとラストクリックの使い分け
- 分析結果をLPの改善につなげる方法
目次
- アトリビューション分析とは
- なぜラストクリックだけでは足りないのか
- 間接効果(アシストコンバージョン)とは
- アトリビューションモデルの種類(現在は2つ)
- 廃止された4つのモデル
- データドリブンとラストクリックの使い分け
- GA4でアトリビューションを確認する方法
- 分析結果をどう改善につなげるか
- よくある質問
- まとめ
アトリビューション分析とは
アトリビューション分析とは、コンバージョンに至るまでにユーザーが接触した複数のチャネルに対して、それぞれの貢献度を割り当てて評価する分析手法です。
「アトリビューション(attribution)」は「帰属」の意味です。1件のコンバージョンを、どの接点の成果として計上するかを決める考え方だと理解してください。
なぜラストクリックだけでは足りないのか
多くの広告管理画面は、既定で最後にクリックされた広告にコンバージョンを全額計上します。これがラストクリックです。
この評価だけで判断すると、次のような誤りが起きます。
例: BtoBサービスの検討プロセス
- ディスプレイ広告で認知 → クリック(この時点ではCVしない)
- 数日後、記事を検索して閲覧(自然検索)
- 1週間後、社名で検索して申し込み(指名検索)
ラストクリック評価では、この1件のコンバージョンはすべて「指名検索」の成果になります。ディスプレイ広告と自然検索の貢献はゼロと評価されます。
その結果、「指名検索は効率が良いから予算を寄せよう」「ディスプレイ広告はCVしないから止めよう」という判断になりがちです。しかしディスプレイ広告を止めると、認知が減り、やがて指名検索も減ります。
検討期間が長い商材ほど、この誤りの影響が大きくなります。
間接効果(アシストコンバージョン)とは
上の例における、**ディスプレイ広告と自然検索の貢献が「間接効果」**です。
- 直接効果: 最後の接点としてCVに直結した貢献
- 間接効果: CVには直結していないが、その過程で接触があった貢献
間接効果を可視化すると、「CV数はゼロだが、実は多くのCVの入口になっているチャネル」が見つかります。そのチャネルを止めるかどうかの判断が変わります。
アトリビューションモデルの種類(現在は2つ)
ここが本記事の最重要点です。 GA4とGoogle広告で現在使えるアトリビューションモデルは、2つだけです。
| モデル | 内容 | 既定 |
|---|---|---|
| データドリブン | 機械学習で各接点の貢献度を統計的に推定して配分する | GA4の既定 |
| ラストクリック | 最後の接点に全額を配分する(直接/間接を問わない構成もある) | — |
多くの解説記事が「6つのモデルがあります」と紹介していますが、それは2023年以前の情報です。
廃止された4つのモデル
Googleは2023年に、以下の4モデルを段階的に廃止しました。
| 廃止されたモデル | 内容 |
|---|---|
| ファーストクリック | 最初の接点に全額を配分 |
| 線形 | すべての接点に均等に配分 |
| 減衰(時間減衰) | CVに近い接点ほど多く配分 |
| 接点ベース | 最初と最後に多く、中間に均等配分 |
2023年6月以降は新規で選択できなくなり、2023年9月以降はデータドリブンとラストクリックのみになっています。
なぜ廃止されたのか
ファーストクリックや線形といったモデルは、あらかじめ決めた配分ルールを機械的に当てはめるものでした。「最初の接点が本当に重要か」「均等配分が実態に合っているか」という根拠はありません。
データドリブンは、実際のデータから貢献度を推定します。ルールベースのモデルより実態に近い配分ができるため、そちらに一本化された形です。
古い記事を読んで「線形モデルで見てみよう」としても、設定画面に選択肢がありません。 情報の鮮度に注意してください。
データドリブンとラストクリックの使い分け
| データドリブン | ラストクリック | |
|---|---|---|
| 配分方法 | 機械学習で推定 | 最後の接点に全額 |
| 向いている用途 | 媒体をまたいだ予算配分の判断 | 単純な比較・過去との継続性 |
| 必要なデータ量 | 一定量のCVが必要 | 少なくても機能する |
| 説明のしやすさ | ブラックボックスになりやすい | 明快 |
基本はデータドリブン(既定)で見てください。 ラストクリックを使うのは、次のような場合です。
- 過去データと同じ基準で比較したい
- コンバージョン数が少なく、機械学習の推定が安定しない
- 社内説明で配分根拠を明示する必要がある
注意点として、データドリブンには一定量のデータが必要です。月間のコンバージョン数が数件しかない場合、推定は安定しません。母数が少ないときは無理にモデルを比較せず、実数で判断するほうが確実です。
GA4でアトリビューションを確認する方法
モデル比較レポート
- 「広告」→「アトリビューション」→「モデル比較」
- 比較したい2つのモデルを選ぶ
- チャネル別に、モデルによってCV数がどう変わるかを確認する
読み方: ラストクリックとデータドリブンで数値が大きく変わるチャネルが、間接効果を持っているチャネルです。ラストクリックでは過小評価されています。
コンバージョン経路レポート
- 「広告」→「アトリビューション」→「コンバージョン経路」
- CVに至るまでの接点の並びが表示される
- 「早期のタッチポイント」「中期」「後期」の構成比を確認する
どのチャネルが入口として機能しているかが分かります。
アトリビューション設定の変更
「管理」→「アトリビューション設定」で、プロパティ全体のモデルとルックバックウィンドウ(振り返り期間)を変更できます。
変更すると過去データも再計算されるため、レポートの数値が変わります。 社内で共有しているレポートがある場合は、変更前に周知してください。
分析結果をどう改善につなげるか
アトリビューション分析で分かるのは**「どのチャネルに予算を配分すべきか」**までです。ここから先の使い方を整理します。
1. 止めてはいけないチャネルを特定する
ラストクリックではCV数がゼロに近いが、データドリブンでは一定の貢献があるチャネル——これを止めると、後から指名検索やリターゲティングの成果が落ちます。
判断を誤りやすいのは、ディスプレイ広告・動画広告・SNS広告など、認知段階のチャネルです。なお、こうしたチャネルはブラウザ計測の欠落も受けやすいため、そもそも計測できていない可能性も併せて確認してください(「【2026年版】Cookieless時代の広告計測とは?対策の全体像と着手する順番を解説」)。
2. 入口のチャネルにはLPを分ける
コンバージョン経路レポートで「早期のタッチポイント」として多く現れるチャネルは、まだ検討度の低いユーザーが来ています。
そこに申し込み前提のLPを当てても成約しません。資料ダウンロードなど心理的ハードルの低いCVを用意する、あるいは記事LPを挟む、といった打ち分けが有効です。
3. 各チャネルのLPは、それぞれCVRを分解して見る
アトリビューションはチャネル単位の話です。同じチャネルでもLPによってCVRは大きく変わります。
GA4の探索レポートで「流入元 × ランディングページ × CVR」を見て、チャネルの評価とLPの評価を分けて判断してください。手順は「【2026年版】GA4でCVRを改善する方法|キーイベント レートの見方から具体的な打ち手まで解説」で解説しています。
なお、GA4と広告管理画面でCV数が合わないのは、このアトリビューションの違いが主な原因の1つです。詳細は「【2026年版】GA4とGoogle広告の連携方法|手順・できること・数値が合わない5つの理由」にまとめています。
よくある質問
Q. アトリビューションモデルは何種類ありますか?
A. GA4とGoogle広告で現在使えるのは「データドリブン」と「ラストクリック」の2つだけです。ファーストクリック・線形・減衰・接点ベースの4モデルは2023年に廃止されました。6種類と書かれている記事は情報が古いものです。
Q. どのモデルを使うべきですか?
A. 基本はGA4の既定であるデータドリブンです。ただしコンバージョン数が少ないと推定が安定しません。 過去との継続性が必要な場合や、社内説明で配分根拠を明示したい場合はラストクリックを使います。
Q. アトリビューション設定を変更すると何が起きますか?
A. 過去データも再計算され、レポートの数値が変わります。 社内で共有しているレポートがある場合は、変更前に関係者へ周知してください。
Q. 間接効果はどこで確認できますか?
A. 「広告」→「アトリビューション」→「モデル比較」で、ラストクリックとデータドリブンを比較してください。数値が大きく変わるチャネルが間接効果を持っています。
Q. CV数が少ないのですがデータドリブンは使えますか?
A. 使えますが、推定が安定しません。月間のCVが数件程度なら、モデルの比較よりも実数と経路レポートで実態を見るほうが確実です。
Q. アトリビューション分析をすればCVRは上がりますか?
A. 上がりません。アトリビューションは「どのチャネルに予算を配分するか」の判断材料です。CVRを上げるにはLPの改善が必要で、チャネルごとにLPを分ける、といった形で分析結果を活かします。
まとめ
アトリビューション分析について、要点を整理します。
- 複数の接点に貢献度を配分して評価する手法。ラストクリックだけだと認知段階のチャネルを過小評価する
- 検討期間が長い商材ほど、評価を誤る影響が大きい
- GA4とGoogle広告で使えるモデルは現在2つだけ(データドリブン / ラストクリック)
- ファーストクリック・線形・減衰・接点ベースは2023年に廃止済み。 6モデルと書かれた記事は情報が古い
- 廃止の理由は、ルールベースの配分に根拠がなかったため
- 基本はデータドリブン。ただしCV数が少ないと推定が安定しない
- モデル比較で数値が大きく変わるチャネルが、間接効果を持っている
- 分析で分かるのはチャネル単位まで。LPの評価は別に分解して見る
- アトリビューション設定の変更は過去データも再計算される
CVR改善ならDejam!チャネルの評価と、LPの改善を切り分ける
Dejamは、LP制作・ヒートマップ分析・ABテスト・AI自動解析をオールインワンで提供するCVR改善特化ツールです。「予算配分は最適化したが、各チャネルのLPのCVRが低いままだ」という段階から、本格的なPDCAを回して成果を最大化するまでを総合支援します。
Dejamが選ばれる理由
- ワンプロダクトで完結: LP制作・ヒートマップ分析・ABテストをすべて単一ツールで実施
- 月額3万円〜利用可能: オプティマイズプラン月額3万円〜 / CMSプラン月額5万円〜 / オールインワン月額12万円〜
- ユーザー課金なし: 何名で使っても追加費用は発生しない
- ISMS認証取得: ISO/IEC 27001:2022 & JIS Q 27001:2023認証取得済み
- 毎週アップデート: 市場トレンドとユーザーリクエストに応じて機能を毎週拡充
- 権威ある実績: 代表がダイレクトアジェンダで2連覇。LPO顕彰制度「LPO AWARD」主催者
Dejamの主要機能
- LP/記事LP制作: ノーコード・コードの切り替えに対応。AIで生成したコードを直接取り込み可能
- ヒートマップ: 5種類(クリック/クリックイベント/熟読/滞在/離脱)。流入元別に比較できる
- ABテスト: デザイン変更テスト・リダイレクトテスト・ポップアップテストの3種類。特定の流入元だけ別LPに振り分けることも可能
- 自動解析: どのコンテンツがCVRに貢献しているかAIが自動解析。ゴールデンルート機能でページ遷移の最適パスも特定
- 広告ダッシュボード: Google広告・Meta広告など複数媒体のデータとLPのCVRを1画面で確認
アトリビューション分析でチャネルの貢献度が分かったら、次は各チャネルのLPを見る番です。Dejamなら流入元別にヒートマップを比較して、行動の違いそのものを確認できます。


