「GTMでイベントパラメータを送ったのに、レポートで軸として選べない」——これはカスタムディメンションへの登録が済んでいないためです。
GA4では、独自に送ったパラメータをレポートで使うには、カスタムディメンションとして登録する必要があります。 しかも登録前のデータには遡って適用されません。 本記事では設定手順と、事前に知っておくべき制約を解説します。
記事のポイント
- カスタムディメンションとは何か、なぜ必要なのか
- イベント・ユーザー・アイテムの3スコープの違いと選び方
- 設定手順
- 上限と、削除しても枠がすぐ戻らない仕様
- 過去データに遡らないという最重要の制約
目次
- カスタムディメンションとは
- 3つのスコープの違い
- 設定手順
- 知っておくべき制約
- CVR改善のために登録すべきもの
- 登録したデータの使い方
- よくある質問
- まとめ
カスタムディメンションとは
カスタムディメンションとは、独自に送信したイベントパラメータやユーザープロパティを、GA4のレポートで「軸」として使えるようにする仕組みです。
GA4は既定で多くのディメンション(ページパス、デバイスカテゴリ、参照元など)を持っていますが、自社固有の情報は含まれていません。
例:
- 記事のカテゴリ(
article_category) - 会員ランク(
member_rank) - スクロール到達率(
percent_scrolled) - フォームの種類(
form_type)
これらをGTMなどで送っても、登録しないと探索レポートの軸に出てきません。
3つのスコープの違い
選択を誤ると意図したデータになりません。
| スコープ | 紐づく対象 | 使う場面 |
|---|---|---|
| イベントスコープ | そのイベント1件 | スクロール率、クリックしたボタン名、記事カテゴリ |
| ユーザースコープ | そのユーザーの全行動 | 会員ランク、契約プラン、業種 |
| アイテムスコープ | eコマースの商品1件 | 商品の色、サイズ、ブランド |
選び方の判断
**「その値は行動ごとに変わるか、ユーザーに固定されるか」**で判断します。
- 記事カテゴリ → 閲覧するページごとに変わる → イベントスコープ
- 会員ランク → そのユーザーに固定 → ユーザースコープ
迷ったらイベントスコープです。 ユーザースコープは「最後に送られた値」で上書きされるため、変動する値を入れると分析が混乱します。
設定手順
ステップ1: パラメータを送る
GTMまたはコードで、イベントにパラメータを付けて送信します。
例: scroll_depth イベントに percent_scrolled = 50 を付ける
イベントの実装手順は「【2026年版】GA4でクリック・スクロールを計測する方法|GTMでの実装手順と限界」で解説しています。
ステップ2: カスタムディメンションに登録する
- GA4の「管理」→「データの表示」→「カスタム定義」
- 「カスタムディメンションを作成」をクリック
- 入力する
- ディメンション名: レポートに表示される名前(日本語可。例: スクロール到達率)
- 範囲: イベント / ユーザー / アイテム
- 説明: 何のための項目か(後で分からなくなるので必ず書く)
- イベントパラメータ: 送信しているパラメータ名(例:
percent_scrolled)
- 「保存」
ステップ3: 反映を待つ
データがレポートに現れるまで最大24〜48時間かかります。 設定直後に出なくても、まず時間を置いてください。
知っておくべき制約
設定前に必ず確認してください。
| 制約 | 内容 |
|---|---|
| 過去データに遡らない | 登録した日以降のデータにのみ適用される |
| イベントスコープは50個まで | プロパティあたりの上限 |
| ユーザースコープは25個まで | 同上 |
| アイテムスコープは10個まで | 同上 |
| 削除しても枠がすぐ戻らない | アーカイブしてから枠が解放されるまで時間がかかる |
| パラメータ名は完全一致 | 大文字小文字も一致させる必要がある |
最重要: 過去データに遡らない
今日登録しても、先月のデータでは使えません。 GA4はディメンションとして登録された時点から値を紐づけて保持します。
つまり「後で分析したくなったら登録すればいい」は成り立ちません。 パラメータを送り始めるのと同時に登録しておく必要があります。
上限の管理
イベントスコープの50個は、大規模なサイトでは足りなくなります。「とりあえず登録しておく」を繰り返すと、必要になったときに枠がありません。
しかも削除(アーカイブ)しても枠がすぐには解放されません。 登録は計画的に行ってください。
CVR改善のために登録すべきもの
何でも登録するのではなく、「その軸で分解して次の打ち手が決まるか」で判断します。
| 登録候補 | スコープ | 何が分かるか |
|---|---|---|
| スクロール到達率 | イベント | LPのどのあたりで離脱しているか |
| クリックされたボタンの文言 | イベント | どのCTAが機能しているか |
| フォームの種類 | イベント | どのフォームの通過率が低いか |
| 記事カテゴリ | イベント | どのカテゴリがCVに繋がるか |
| ABテストのパターン | イベント | どのパターンのCVRが高いか |
| 会員ランク・契約プラン | ユーザー | どの層がCVしやすいか |
逆に、登録しなくてよいものもあります。「ページのタイトル」「デバイスの種類」など、GA4が標準で持っているディメンションを重複して登録しないでください。上限を無駄に消費します。
登録したデータの使い方
登録したら、探索レポートで軸として使います。
- 「探索」→「空白(自由形式)」
- 「ディメンション」の「+」で、登録したカスタムディメンションを選ぶ
- 指標に「セッション」「セッションのキーイベント率」を追加
- 行に配置して比較する
セグメントと組み合わせると、さらに絞り込めます。「スマートフォン × スクロール到達率50%未満」といった分解が可能になります。セグメントの作り方は「【2026年版】GA4のセグメントの作り方|3種類の違いとCVR改善に効く5つの型」で解説しています。
分解した結果からLPを直す流れは「【2026年版】GA4でCVRを改善する方法|キーイベント レートの見方から具体的な打ち手まで解説」にまとめています。
よくある質問
Q. パラメータを送ったのにレポートに出てきません。
A. カスタムディメンションへの登録が必要です。「管理」→「カスタム定義」から登録してください。登録後もデータの反映に最大24〜48時間かかります。
Q. 過去のデータでもカスタムディメンションを使えますか?
A. 使えません。 登録した日以降のデータにのみ適用されます。「後で分析したくなったら登録すればいい」は成り立たないため、パラメータを送り始めるのと同時に登録してください。
Q. スコープはどれを選べばいいですか?
A. その値が行動ごとに変わるならイベントスコープ、ユーザーに固定されるならユーザースコープです。迷ったらイベントスコープを選んでください。ユーザースコープは最後に送られた値で上書きされるため、変動する値には向きません。
Q. 上限はいくつですか?
A. イベントスコープ50個、ユーザースコープ25個、アイテムスコープ10個です。削除(アーカイブ)しても枠がすぐには解放されないため、登録は計画的に行ってください。
Q. GA4が標準で持っているディメンションも登録すべきですか?
A. 不要です。ページタイトルやデバイスカテゴリなど標準のディメンションを重複して登録すると、上限を無駄に消費します。
まとめ
GA4のカスタムディメンションについて、要点を整理します。
- 独自に送ったパラメータをレポートの軸として使えるようにする仕組み
- 登録しないと探索レポートで選べない
- スコープは3種類。行動ごとに変わるならイベント、ユーザーに固定ならユーザー
- 迷ったらイベントスコープ。ユーザースコープは最後の値で上書きされる
- 過去データには遡らない。 パラメータを送り始めるのと同時に登録する
- 上限はイベント50 / ユーザー25 / アイテム10。削除しても枠がすぐ戻らない
- 「その軸で分解して次の打ち手が決まるか」で登録を判断する
- GA4標準のディメンションを重複登録しない
- 反映には最大24〜48時間かかる
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GA4では、スクロール到達率を見るためにパラメータの送信・カスタムディメンションの登録・反映待ちという手順が必要で、しかも登録前のデータは見られません。Dejamのヒートマップはタグを1本入れるだけで、設置した日からページ上の行動が記録されます。


