「このLPの表現、景品表示法に引っかからないだろうか」と手が止まった経験はないでしょうか。
D2C事業者やアフィリエイターにとって、LP・記事LPの表現は売上に直結します。一方で、強く訴求するほど景品表示法(景表法)のリスクは高まります。この2つはトレードオフの関係にあり、「どちらかを捨てる」のではなく「どこまでなら根拠を示せるか」を判断する問題です。
しかし、検索して出てくる解説の多くは法律の専門家によるもので、条文と違反類型の説明が中心です。「では、このファーストビューのコピーをどう直せばいいのか」「表現を弱めたらCVRはどれくらい落ちるのか」までは書かれていません。
本記事では、LPを実際に作る側の目線で、景品表示法で問題になりやすい4つの論点を整理します。あわせて、当社が消費者庁の公表資料から収集した措置命令・課徴金納付命令150件のデータをもとに、実際に何が問題とされているのかを示します。
記事のポイント
- 景品表示法の責任を負うのは誰か(アフィリエイターか、広告主か)
- LP表現で問題になる4論点の全体像と、それぞれの詳細記事への入口
- 公表データ150件から見える、実際に多い違反類型
- 表現を弱めたときのCVR低下を検証する方法
- LP公開前に確認する10項目のチェックリスト
目次
- 景品表示法がLP・記事LPに関わる理由
- LP表現で問題になる4つの論点
- 公表データ150件から見える実態
- 「表現を弱めるとCVRが落ちる」問題をどう扱うか
- LP公開前のチェックリスト10項目
- DejamでLP表現の検証を回す
- よくある質問
- まとめ
本記事は景品表示法の一般的な考え方を、消費者庁が公表している資料をもとに整理したものです。個別の表示が違反にあたるかどうかの判断は行っていません。 実際の表示の可否については、消費者庁の公表資料・ガイドラインを直接ご確認いただくか、弁護士等の専門家にご相談ください。
景品表示法がLP・記事LPに関わる理由
景品表示法(正式名称: 不当景品類及び不当表示防止法)は、消費者が商品やサービスを選ぶときの判断をゆがめる表示を規制する法律です。**規制の対象は「広告そのもの」ではなく「表示から一般消費者が受ける印象」**であり、LPは商品の説明と購入導線が1ページに収まっているぶん、印象を左右する要素が集中しています。
判断の基準になるのは、作り手の意図ではなく、表示全体から一般消費者が受ける認識です。キャッチコピーだけでなく、本文・画像・グラフ・比較表・注記・動画を含めた「全体としてどう伝わるか」が見られます(出典: 優良誤認とは | 消費者庁)。
責任を負うのは広告主
アフィリエイト広告では、記事を書いたのがアフィリエイターであっても、**措置命令や企業名の公表を受けるのは商品を提供する広告主(事業者)**です。2022年6月に管理措置指針とインターネット表示留意事項が改正され、アフィリエイト広告における広告主の管理責任が明確化されました(出典: インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項 | 消費者庁)。
このため、実務上は次の非対称が生じます。
| 立場 | 法的な処分 | 実務上のリスク |
|---|---|---|
| 広告主(D2C事業者等) | 措置命令・課徴金納付命令・企業名の公表 | 売上停止、返金対応、ブランド毀損 |
| アフィリエイター | 直接の処分対象にはならない | 提携解除、報酬の非承認、案件の継続不可 |
**アフィリエイター側が「自分は対象外だから」と考えるのは実務的ではありません。**広告主が処分を受ければ案件そのものが止まり、収益が消えます。広告主側から見れば、表現を管理できないパートナーとは組めません。両者にとって同じ問題です。
LP表現で問題になる4つの論点
LPで実際に問題になりやすい論点は、大きく4つに分けられます。それぞれの詳細は個別記事にまとめているので、該当するものから読み進めてください。
1. 優良誤認|効果・品質を実際より良く見せる
「1週間で-5kg」「塗った瞬間にシワが消える」のように、商品の効果・品質を実際のものより著しく優良であると示す表示です。LPのファーストビューとビフォーアフター画像で問題になりやすく、後述する公表データでも最も件数の多い類型です。
体験談の使い方、効果の個人差の扱い、根拠資料の要件など、LP制作で判断に迷う点は「優良誤認とは?LPでやりがちなNG表現と措置命令の事例」で解説しています。
2. 有利誤認|価格や取引条件を実際より有利に見せる
「通常価格9,800円→今だけ2,980円」「期間限定」といった価格訴求が該当します。二重価格表示の比較対照価格に何を使えるか、期間限定キャンペーンを繰り返すとどうなるかが実務上の争点です。
詳細は「有利誤認とは?二重価格表示・期間限定キャンペーンの落とし穴」で解説しています。
3. ステマ規制|広告であることを隠す
2023年10月1日から、広告であるにもかかわらず広告であると分からない表示が景品表示法の指定告示に追加されました。アフィリエイト記事、インフルエンサー投稿、体験レビュー形式の記事LPが直接の対象になります。
PR表記をどこに、どう書けば足りるのかは「ステマ規制とアフィリエイトのPR表記|正しい書き方とNG例」で解説しています。
4. No.1表示・打消し表示|実績訴求と注記の扱い
「顧客満足度No.1」「業界最安値」といった最上級表示と、その根拠を小さく添える注記(打消し表示)の問題です。消費者庁の実態調査では、令和5年度の措置命令44件のうち13件がNo.1表示に関連していました(出典: No.1表示に関する実態調査報告書 | 消費者庁)。
調査方法の要件と注記の書き方は「No.1表示・打消し表示の実務|実績訴求を根拠から作る」で解説しています。
公表データ150件から見える実態
当社では、消費者庁が公表している景品表示法に基づく措置命令・課徴金納付命令を収集し、違反類型別に構造化して景品表示法の処分事例データベースとして公開しています。2026年9月時点で2021年4月から2026年8月までの150件を収録しています。
このデータの内訳は次のとおりです。
| 区分 | 件数 |
|---|---|
| 措置命令 | 97件 |
| 課徴金納付命令 | 53件 |
| うち優良誤認を含むもの | 62件 |
| うち有利誤認を含むもの | 25件 |
| うち指定告示(ステマ告示等)を含むもの | 10件 |
※1件が複数の類型に該当する場合があるため、類型別の合計は総件数と一致しません。当社が収集した範囲のデータであり、公表されたすべての処分を網羅したものではありません。年次の推移は公表データの集計ページにまとめています。
**優良誤認が全体の4割を占めており、LP制作で最も注意すべき類型であることがデータからも確認できます。**効果や品質の訴求は、価格訴求よりも件数が多いという事実は、制作の優先順位を決めるうえで参考になります。
「表現を弱めるとCVRが落ちる」問題をどう扱うか
ここが、法律の解説記事では扱われず、しかしLPを作る側が最も困る部分です。
コンプライアンスを理由に訴求を弱めると、**CVRが下がることは実際にあります。**そして多くの現場では「どれくらい下がるか分からないまま弱める」か「怖いので弱めない」かの二択になっています。どちらも意思決定として最適ではありません。
現実的なのは、表現を弱めた版と元の版をABテストで並走させ、下げ幅を実測することです。下げ幅が数%であれば、リスクを避ける判断は容易になります。逆に大きく下がるなら、訴求の軸そのものを設計し直す必要があると分かります。
具体的には次の手順です。
- 問題になりうる要素を分解する: ファーストビューのコピー、ビフォーアフター画像、体験談、価格表記、注記の位置に分ける
- 一度に1要素だけ変えた版を作る: まとめて変えると、どの要素がCVRを支えていたのか分からなくなる
- ABテストで並走させ、有意差が出るまで回す: 期間ではなくサンプルサイズで判断する
- ヒートマップで代替要素を探す: 訴求を弱めた版で読まれなくなった箇所が分かれば、そこを別の根拠のある情報で埋められる
この検証は、LPを作り直さずにできると回せる頻度が変わります。DejamのABテスト機能は、既存のLPにタグを設置するだけでデザイン変更テストを実施できるため、法務確認と並行して下げ幅の実測を進められます。
なお、記事LPそのものの効果や改善方法については「記事LPは効果ない・怪しいは本当?失敗する理由と改善策を徹底解説」でも扱っています。
LP公開前のチェックリスト10項目
公開前に確認する観点を挙げます。これは違反の有無を判定するものではなく、専門家に相談すべき箇所を洗い出すためのリストです。
- 効果・品質の訴求について、裏付けとなる資料が手元にあるか
- その資料は、LPで示している条件(期間・使用方法・対象者)と一致しているか
- 体験談が「誰でも同じ結果になる」という印象を与えていないか
- 効果の個人差に関する記載が、本文と同じ視認性で読めるか
- 比較対照価格に、実際に販売していた実績があるか
- 期間限定キャンペーンの終了後、同じ条件で継続していないか
- アフィリエイト記事・タイアップ記事に広告である旨の表記があるか
- その表記は、スクロールせずに認識できる位置にあるか
- No.1表示の根拠となる調査の方法・時期・対象を明示できるか
- 注記(打消し表示)が、本文の訴求と矛盾していないか
DejamでLP表現の検証を回す
景品表示法への対応は、表現を変えて終わりではありません。変えた結果として成果がどう動いたかを測り、次の訴求を設計するところまでが実務です。
LP・記事LP制作
ノーコードとコードを切り替えて制作できるため、法務確認で指摘された箇所だけを差し替えた版を短時間で用意できます。差し替え前後を残しておけば、あとから比較検証にも使えます。
ABテスト
表現を弱めた版と元の版を並走させ、CVRの下げ幅を実測できます。デザイン変更テスト・リダイレクトテスト・ポップアップテストの3種類に対応しており、AIが自然言語からテストコードを生成します。
ヒートマップ
訴求を弱めた版でどこまで読まれているかを可視化できます。クリック・熟読・滞在・離脱など5種類のヒートマップで、訴求を支えていた箇所を特定できます。
よくある質問
Q. 景品表示法に違反すると、どうなりますか?
A. 消費者庁から措置命令が出され、事業者名と違反内容が公表されます。あわせて課徴金納付命令が出される場合もあります。当社が収集した150件では、措置命令が97件、課徴金納付命令が53件でした。実際の公表内容は処分事例データベースで確認できます。
Q. アフィリエイターも処分の対象になりますか?
A. 景品表示法上の措置命令等を受けるのは商品を提供する広告主です。ただし広告主が処分を受ければ案件は停止し、提携解除や報酬の非承認につながるため、実務上の影響は避けられません。
Q. 「個人の感想です」と書いておけば大丈夫ですか?
A. 注記があることだけをもって問題がなくなるわけではありません。消費者庁は打消し表示について、表示全体から一般消費者が受ける印象を基準に判断するという考え方を示しています。詳しくはNo.1表示・打消し表示の記事をご覧ください。
Q. 表現を弱めたらCVRが落ちました。どうすればいいですか?
A. どの要素が下げ幅の要因かをABテストで切り分けることをおすすめします。一度に複数の要素を変えると原因が特定できません。訴求の軸を変えずに、根拠を示せる別の情報で補強できないかを検討する順序が現実的です。
Q. 過去の違反事例はどこで確認できますか?
A. 消費者庁の公表資料が一次情報です。当社ではそれを違反類型別に整理した処分事例データベースを公開しています。出典はすべて消費者庁の公表資料へのリンクを付けています。
まとめ
LP・記事LPの広告表現と景品表示法について、押さえるべき4つの論点を整理しました。
- 景品表示法の判断基準は、作り手の意図ではなく表示全体から一般消費者が受ける印象
- 処分を受けるのは広告主だが、アフィリエイター側も案件停止という形で影響を受ける
- 当社が収集した公表データ150件では、優良誤認が62件と最も多い
- 表現を弱める判断は、CVRの下げ幅をABテストで実測してから行うと精度が上がる
4論点それぞれの詳細は、本文中の各記事をご覧ください。
CVR改善ならDejam!表現の検証と改善を同じツールで
Dejamは、LP制作・ヒートマップ分析・ABテスト・AI自動解析をオールインワンで提供するCVR改善特化ツールです。「表現を弱めたらCVRが落ちるかもしれない」という段階から、実測して意思決定するところまでを支援します。
Dejamが選ばれる理由
- LP制作から検証まで単一ツールで完結: LP制作・ヒートマップ分析・ABテストを別々のツールで揃える必要がない
- 月額3万円〜利用可能: オプティマイズプラン月額3万円〜 / CMSプラン月額5万円〜 / オールインワン月額12万円〜
- ユーザー課金なし: 何名で使っても追加費用は発生しないため、法務担当者にもアカウントを配れる
- ISMS認証取得: ISO/IEC 27001:2022 & JIS Q 27001:2023認証取得済み
- 毎週アップデート: 市場トレンドとユーザーリクエストに応じて機能を毎週拡充
- 独自ドメイン300件まで無料: LP専用ドメインを大量運用しても追加費用なし
表現の差し替え版を短時間で用意し、そのままABテストに載せられるため、法務確認と成果検証を並行して進められます。


