「顧客満足度No.1」「〇〇部門で3年連続1位」——LPのファーストビューやバッジでよく見る訴求です。
一方で、消費者庁が2024年9月に公表した「No.1表示に関する実態調査報告書」では、令和5年度の措置命令44件のうち13件がNo.1表示に関連していたことが示されています(出典: No.1表示に関する実態調査報告書 | 消費者庁)。件数の比率としては小さくありません。
本記事では、No.1表示の根拠として何が求められるのか、そして根拠を小さく添える注記(打消し表示)がどこまで機能するのかを、LPを作る立場から整理します。
記事のポイント
- 消費者庁の実態調査が問題としたイメージ調査の構造
- No.1表示の根拠として求められる調査の要件
- 打消し表示(注記)が機能する条件と、しない条件
- LPで使える書き方・使いにくい書き方の比較
- 実績訴求を弱めたときのCVRへの影響を測る方法
目次
- No.1表示はなぜ問題になりやすいのか
- 消費者庁の実態調査が指摘したこと
- 根拠として求められる調査の要件
- 打消し表示(注記)はどこまで機能するか
- LPで使える書き方・使いにくい書き方
- 実績訴求を弱める前に下げ幅を測る
- Dejamで実績訴求の検証を回す
- よくある質問
- まとめ
本記事は景品表示法の一般的な考え方を、消費者庁が公表している資料をもとに整理したものです。個別の表示が違反にあたるかどうかの判断は行っていません。 実際の表示の可否については、消費者庁の公表資料・ガイドラインを直接ご確認いただくか、弁護士等の専門家にご相談ください。
No.1表示はなぜ問題になりやすいのか
No.1表示は、景品表示法上の独立した類型ではありません。内容や品質について実際より著しく優良だと誤認される場合は優良誤認、価格や取引条件について誤認される場合は有利誤認として扱われます。優良誤認の詳細は「優良誤認とは?LPでやりがちなNG表現と措置命令の事例」で解説しています。
問題になりやすい理由は、訴求の強さと根拠の弱さが同居しやすい点にあります。「No.1」という語は消費者の判断に強く影響する一方で、その根拠は調査の設計次第でいくらでも作れてしまいます。
消費者庁の実態調査が指摘したこと
消費者庁は2024年9月26日、「No.1表示に関する実態調査報告書」を公表しました。消費者1,000人へのウェブアンケートと、広告関連事業者・調査会社・事業者団体15者へのヒアリングに基づくものです。
報告書が問題として挙げたのは、主に次の構造です。
イメージ調査に基づくNo.1表示
令和5年度にNo.1表示に関連して措置命令が出された事例は、いずれもイメージ調査に基づくものでした。回答者に対象商品と競合商品のウェブサイトを見せたうえで、「顧客満足度が高いと思うものを選んでください」といった形で印象を尋ねる調査です。
この方式の問題は明確です。**回答者はその商品を使っていません。**売上高やシェアのような客観的な指標ではなく、ウェブサイトを見た印象を答えているだけであり、「顧客満足度」という表示との間に実態の裏付けがありません。
第三者の主観的評価を指標にする表示
「顧客満足度No.1」「〇〇士が選ぶNo.1」のように、主観的な評価を指標にしたNo.1表示が広く見られるとされています。これらは売上のような客観指標ではないため、恣意的または不注意な調査に基づくおそれがあると指摘されています。
事業者に求められる対応
報告書は、事業者が取り組むべき事項として、表示の裏付けとなる情報の確認、社内での共有、責任者の指定、事後の検証、不当表示が判明した場合の対応などを挙げています。あわせて、調査方法を広告物に直接記載する、QRコードで参照できるようにするなど、消費者が根拠を確認できる状態が望ましいという考え方が示されています。
根拠として求められる調査の要件
実務でNo.1表示を検討する場合、次の点を確認できるかが判断材料になります。
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| 調査の対象 | 実際にその商品・サービスを利用した人か。利用していない人の印象ではないか |
| 比較の範囲 | 何と比較してのNo.1か。範囲が恣意的に狭められていないか |
| 調査の時期 | いつ時点のデータか。古すぎないか |
| 調査の実施主体 | 第三者性があるか |
| 指標の客観性 | 売上・シェアなど客観指標か、印象の集計か |
| 表示との一致 | 調査で聞いた内容と、LPに書いた文言が一致しているか |
最後の行が実務では最も起こりやすいズレです。「デザインが良いと思うものを選んでください」という調査結果を「顧客満足度No.1」と表示すれば、調査で聞いた内容と表示が一致していません。
打消し表示(注記)はどこまで機能するか
打消し表示とは、強調表示の内容に例外や条件があることを示す注記です。「※〇〇調べ」「※個人の感想です」「※当社比」といった形で使われます。
制作の現場では「注記を入れておけば大丈夫」と考えられがちですが、**注記の存在だけをもって問題がなくなるわけではありません。**判断の基準は、あくまで表示全体から一般消費者が受ける印象です。
注記が機能しにくい状態
- 強調表示と著しくサイズが違う
- 強調表示から離れた位置にあり、対応関係が分からない
- 背景とのコントラストが低く読み取りにくい
- スマートフォンで画面外に押し出されている
- 注記の内容が、強調表示と実質的に矛盾している
最後の項目が本質的です。強調表示が伝える印象を注記が打ち消してしまうなら、そもそも強調表示の側に無理があります。「1週間で-5kg」に「※効果には個人差があり、通常3か月程度かかります」と付けるような形は、注記で救う設計になっていません。
実務上の考え方
打消し表示は、強調表示を成立させるための免罪符ではなく、条件を正確に伝えるための補足として設計します。注記を書いてみて強調表示と矛盾するようであれば、強調表示そのものを見直す合図だと捉えるのが安全です。
LPで使える書き方・使いにくい書き方
| 書き方 | 実務上の扱い |
|---|---|
| 「〇〇株式会社調べ / 2026年8月 / 20〜40代の利用者500名対象」 | 調査主体・時期・対象が明示され、確認可能 |
| 「導入企業数〇社(2026年8月時点)」 | 客観的な数値で、時点も明示されている |
| 「売上シェアNo.1(〇〇社調べ、2025年度国内出荷金額ベース)」 | 客観指標と範囲が明示されている |
| 「顧客満足度No.1」(根拠の記載なし) | 何をもってのNo.1か確認できない |
| 「※当社調べ」のみ | 調査の方法・対象・時期が分からない |
| 利用していない人へのイメージ調査に基づく「満足度No.1」 | 実態の裏付けがないと指摘されている構造 |
No.1という語を使わずに実績を伝えるという選択肢もあります。導入社数、継続率、対応実績年数などの客観的な数値は、根拠を示しやすく、時点を添えれば検証可能です。訴求としても具体性があるぶん伝わりやすい場合があります。
実績訴求を弱める前に下げ幅を測る
No.1バッジをファーストビューから外す、注記を大きくして視認性を上げる——こうした変更は、CVRを下げる可能性があります。
ここでも、変更前後をABテストで並走させて下げ幅を実測する手順が有効です。
- No.1バッジあり・なしでの差を測る
- No.1表示を、根拠のある客観的な数値(導入社数等)に置き換えた版と比較する
- 注記のサイズ・位置を変えた版で、CVRと読了率がどう動くか見る
2つ目の検証は特に価値があります。No.1という語そのものが効いているのか、それとも「実績がある」という情報が効いているのかを切り分けられるためです。後者であれば、根拠を示せる数値に置き換えてもCVRを維持できる可能性があります。
注記が実際に読まれているかはヒートマップ機能で確認できます。読まれていない注記を大きくしても体験は変わらないため、視認性の改善は実測してから判断するほうが確実です。
論点の全体像は「LP・記事LPの広告表現と景品表示法|4論点」にまとめています。実際の処分事例は景品表示法の処分事例データベースで、出典とあわせて確認できます。
Dejamで実績訴求の検証を回す
ABテスト
No.1バッジのあり・なし、客観的な数値への置き換え、注記のサイズ変更などを並走させ、CVRへの影響を実測できます。デザイン変更テスト・リダイレクトテスト・ポップアップテストの3種類に対応しています。
LP・記事LP制作
バッジや注記の差し替えを、コーディングなしで反映できます。根拠の記載を追加する改修も短時間で行えます。
ヒートマップ
注記や実績表示が実際にどこまで読まれているかを、熟読・滞在・離脱の各ヒートマップで可視化できます。
よくある質問
Q. No.1表示は景品表示法で禁止されているのですか?
A. No.1表示という独立した禁止類型があるわけではありません。内容や品質について実際より著しく優良だと誤認される場合に優良誤認として、価格や取引条件について誤認される場合に有利誤認として扱われます。
Q. 「当社調べ」と書けば大丈夫ですか?
A. 調査の方法・対象・時期が分からない状態では、消費者が根拠を確認できません。消費者庁の実態調査では、調査方法を広告物に記載するかQRコードで参照できるようにすることが望ましいという考え方が示されています。
Q. 顧客満足度アンケートを自社で実施した結果は使えますか?
A. 実施主体が自社であること自体が直ちに問題になるわけではありませんが、調査の対象・方法・指標の客観性が問われます。実際に利用した人を対象としているか、聞いた内容と表示が一致しているかを確認してください。
Q. 「※個人の感想です」と書けば体験談は自由に使えますか?
A. 注記があることだけをもって問題がなくなるわけではありません。注記の視認性や、注記の内容が強調表示と矛盾していないかが確認のポイントになります。
Q. No.1バッジを外したらCVRが落ちますか?
A. 落ちる可能性はありますが、下げ幅はABテストで実測できます。No.1という語が効いているのか、実績があるという情報が効いているのかを切り分けると、根拠のある数値への置き換えで維持できる場合があります。
まとめ
No.1表示と打消し表示について、LP制作の目線で整理しました。
- No.1表示は独立した類型ではなく、優良誤認・有利誤認として扱われる
- 消費者庁の実態調査では、令和5年度の措置命令44件中13件がNo.1表示関連
- 問題とされたのは、利用していない人へのイメージ調査に基づく表示
- 打消し表示は免罪符ではなく、注記と強調表示が矛盾するなら強調表示側を見直す
- No.1を使わず客観的な数値で実績を示す選択肢もある
効果訴求・価格訴求の論点は「優良誤認」「有利誤認」、広告であることの表記は「ステマ規制とPR表記」の各記事をご覧ください。
CVR改善ならDejam!実績訴求を根拠から作り直す
Dejamは、LP制作・ヒートマップ分析・ABテスト・AI自動解析をオールインワンで提供するCVR改善特化ツールです。「No.1バッジを外したらCVRが落ちるのではないか」という段階から、実測して意思決定するところまでを支援します。
Dejamが選ばれる理由
- LP制作から検証まで単一ツールで完結: 制作・分析・テストを別々のツールで揃える必要がない
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- ISMS認証取得: ISO/IEC 27001:2022 & JIS Q 27001:2023認証取得済み
- 毎週アップデート: 市場トレンドとユーザーリクエストに応じて機能を毎週拡充
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訴求を置き換えた版をそのままABテストに載せられるため、根拠のある表現に切り替えながら成果を維持する運用が可能です。


