MCP対応ツールは、**「提供元がホストしているか(URLを登録するだけで使えるか)」と「読み取り専用か、書き込みもできるか」**の2点で、導入の手間とリスクがほぼ決まります。マーケティング業務なら、ホスト済みのドキュメント系から入れるのが最も手軽です。
| カテゴリ | 代表的なMCPサーバー | ホスト形態 | 読み書き | 導入の手間 |
|---|---|---|---|---|
| ドキュメント・ナレッジ | Notion MCP | ホスト済み | 読み書き可 | 小(URL登録とOAuth認証) |
| LP管理・CVR改善 | Squad beyond MCP | ホスト済み | 読み取り中心 | 小(ただし1分10回までのレート制限あり) |
| 広告 | Google Ads MCP | 自前運用 | 取得系のツールのみ | 大(Google Cloud の設定とデプロイが必要) |
| ローカルファイル | Filesystem Server | ローカル | 読み書き可 | 中(許可するフォルダを自分で指定) |
最初の1つは、使っているSaaSが公式に出しているホスト済みのMCPサーバーにしてください。MCP の仕様は2026年7月28日版で更新され、Sampling・Logging・Roots の3機能が非推奨になりました(詳しくは「2026年7月28日版の仕様で変わったこと」)。Dejam は MCPサーバー・公開APIとも提供していません(2026年10月時点)。
記事のポイント
- MCP対応は「クライアント側」と「サーバー側」で分けて考える
- 選定の5軸: ホスト形態 / 読み書きの範囲 / レート制限 / 料金 / 権限設計
- ホスト済みかどうかが導入工数を決定的に左右する
- 読み取り専用は制限ではなく安全設計であることが多い
- CVR改善ツールのMCP対応状況(Dejamは未提供)
- 2026年7月28日版の仕様で非推奨になった機能と、選定への影響
目次
- MCP対応は2種類に分けて考える
- MCP対応のAIツール(クライアント側)
- 選定の5軸
- カテゴリ別のMCPサーバー
- CVR改善・LP管理ツールのMCP対応状況
- どれから入れるべきか
- 2026年7月28日版の仕様で変わったこと
- よくある質問
- まとめ
MCP対応は2種類に分けて考える
MCPはクライアント・サーバー型の規格です。「MCP対応ツール」を探すときは、自分がどちら側を探しているのかを区別する必要があります。
| 側 | 呼び方 | 役割 | 例 |
|---|---|---|---|
| AIツール側 | MCPホスト / クライアント | MCPサーバーに繋いでデータを取る | Claude / ChatGPT / Cursor / Gemini CLI |
| データ側 | MCPサーバー | データやツールを提供する | Notion / Google広告 / 各SaaS |
両方が揃わないと動きません。 使いたいSaaSがMCPサーバーを出していても、手元のAIツールが対応していなければ繋がりません。
MCPそのものの仕組みは「MCPとは?マーケティング業務での活用方法と2026年最新仕様」で解説しています。
MCP対応のAIツール(クライアント側)
MCP公式ドキュメントが挙げているクライアントには、Claude、ChatGPT、Visual Studio Code、Cursor などがあります。
| AIツール | 接続方式 | 設定の難易度 | 解説記事 |
|---|---|---|---|
| Claude Desktop | 設定ファイル(claude_desktop_config.json) | 中(JSONを編集) | 手順 |
| Claude Code | MCP設定 / リモートはURL登録 | 中 | 手順 |
| ChatGPT | 開発者モード(Developer mode)で URL 登録。Business・Enterprise はワークスペースの管理者が作成・公開 | 低 | 手順 |
| Gemini CLI | settings.json の mcpServers | 中 | 手順 |
| Cursor | MCP設定 | 中 | — |
| Visual Studio Code | MCP設定 | 中 | — |
非エンジニアが最初に試すなら ChatGPT の Developer mode が最も設定が軽いです。 設定画面でURLを登録してOAuth認証を通すだけで済みます。
一方、ローカルのファイルを読ませたい場合は Claude Desktop が向きます。設定ファイルにアクセスを許可するディレクトリを書く形なので、範囲を明示的に制御できます。
選定の5軸
MCPサーバー(データ側)を選ぶときは、次の5点で比較してください。
軸1: ホスト形態(ホスト済み / 自前運用)
これが導入工数を決定的に左右します。
| 形態 | 導入作業 | 例 |
|---|---|---|
| 提供元がホスト済み(リモート) | URL登録とOAuth認証のみ。数分で終わる | Notion MCP / SaaS各社のMCP |
| 自前で動かす(ローカル / 自社クラウド) | インストール・認証情報の準備・デプロイ | Google Ads MCP / ファイルシステム系 |
「MCP対応」と書かれていても自前運用が前提のものは、開発リソースが要ります。 Google Ads MCP はホスト済みエンドポイントが無く、ローカルで動かすか、Google Cloud Run などのクラウドへデプロイする必要があります。
軸2: 読み書きの範囲
| 範囲 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 読み取り専用 | 取得・分析のみ。誤操作のリスクが無い | Google Ads MCP(公開されているツールは取得系のみ) |
| 読み書き可 | 作成・更新もできる。承認運用が要る | Notion MCP(作成・更新・ページ/DB作成) |
読み取り専用は「機能が足りない」のではなく安全設計であることが多い点に注意してください。Google Ads MCP が公開しているツールは、アカウント情報の取得(search)・項目の定義の取得・アクセスできるアカウントの一覧の3つだけで、入札や予算をAIから変更することはできません。誤操作で予算配分が壊れる心配がない一方、運用の自動化には使えません。
逆に読み書き可のサーバーは便利ですが、AIツール側の承認(approval)を流れ作業で押さない運用が前提になります。
軸3: レート制限
リクエスト数の上限は提供元が個別に決めています。例えば Squad beyond MCP は1分あたり10リクエストまでです。
大量のページやキャンペーンを横断して集計させる用途では、この上限が実務的な制約になります。 「全LPを一括で比較して」と依頼すると上限に当たって止まることがあります。
軸4: 料金
MCPプロトコル自体は無料ですが、実際には次の2箇所で費用が発生しえます。
- AIツール側の有料プラン — 例: Squad beyond MCP の場合、Claude Code は Pro 以上、ChatGPT は Plus・Pro・Business・Enterprise、Gemini CLI は Enterprise のみで利用できると案内されています
- MCPサーバー提供元の追加料金 — 例: Squad beyond MCP は「ご利用されているプランによって料金が異なります」
両方を確認しないと、導入後に想定外の費用が出ます。
軸5: 権限設計
MCP経由で取得できるデータは、通常そのサービス上のアカウント権限に紐づきます。認可したアカウントが見られるデータは、すべてAIに渡る前提で考えてください。
確認すべきは次の2点です。
- 閲覧範囲を絞ったアカウントを用意できるか
- 組織として接続を管理できるか(例: Notion はワークスペースオーナーが Settings → Connections で管理)
カテゴリ別のMCPサーバー
マーケティング業務で関係するカテゴリを整理します。
広告
| サーバー | 提供元 | ホスト形態 | 読み書き | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Google Ads MCP | Google(公式・OSS) | 自前運用 | 読み取り専用 | 構成によっては開発者トークン(本番アカウントにはExplorer以上のアクセス)が必要。解説 |
広告領域は「公式が読み取り専用で出す」流れになっています。 運用の自動化ではなく、レポーティングと分析の高速化が得られるものと捉えてください。
ドキュメント・ナレッジ
| サーバー | 提供元 | ホスト形態 | 読み書き | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Notion MCP | Notion(公式) | ホスト済み | 読み書き可 | 連携ソース内も検索対象。解説 |
導入が最も軽いカテゴリです。 OAuth認証だけで済み、施策記録や議事録の横断分析にすぐ使えます。
LP管理・CVR改善
| サーバー | 提供元 | ホスト形態 | 読み書き | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Squad beyond MCP | 株式会社Squad | ホスト済み | 読み取り中心 | 1分10リクエスト。プランにより料金が異なる。解説 |
| Dejam | 株式会社LeanGo | 未提供 | — | MCPサーバー・公開APIとも未提供(2026年10月時点) |
ローカルファイル・開発
| サーバー | 提供元 | ホスト形態 | 読み書き | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Filesystem Server | MCP公式リファレンス | ローカル(stdio) | 読み書き可 | 許可ディレクトリを起動時の引数で明示。Node.js(npx)またはDockerで起動 |
このカテゴリは権限に最も注意が要ります。 ローカルMCPサーバーはクライアントと同じ権限で動くため、許可するディレクトリを最小限にしてください。詳細は「MCP導入のセキュリティリスクと対策」で解説しています。
CVR改善・LP管理ツールのMCP対応状況
LP管理・CVR改善のカテゴリでは、MCP対応は始まったばかりです。
Squad beyond は公式FAQでMCPの提供を案内しており、ChatGPT・Claude Code・Codex・Gemini CLI・Antigravity CLI・Notion AI から接続してレポートデータやページ単位のCVRを参照できます(Gemini CLI は Enterprise プランのみ)。 現時点でこのカテゴリでは先行しています。
一方、Dejam は2026年10月時点でMCPサーバー・公開APIとも提供していません。 AIによる改善案の提示は、外部AIツールからの参照ではなくツール内の機能(CROサジェスト・LPOチェッカー)として提供しています。
外部のAIツールからLP管理ツールのデータを参照する運用が要件であれば、この点は選定に直結します。 両者の機能・料金の違いは「Squad beyondとDejamの比較」で整理しています。
どれから入れるべきか
導入順の推奨は次のとおりです。
1番目: ドキュメント系(Notion MCP など)
理由: ホスト済みで導入が数分、かつ効果が体感しやすい。施策記録の横断分析は既存の業務にすぐ乗ります。
2番目: 使っているSaaSの公式MCP
理由: ホスト済みならURL登録だけで済みます。まず「使っているツールが公式MCPを出しているか」を確認するのが最短です。
3番目: 広告系(Google Ads MCP など)
理由: 効果は大きいが、開発者トークンの取得と自前運用が必要で準備に時間がかかります。すでに Google Ads API を使ったレポート基盤がある組織なら順位が上がります。
入れる前に決めておくこと
- 接続に使うアカウント(閲覧範囲を絞ったものを用意する)
- 承認の運用(読み書き可のサーバーでは特に)
- 数字の検証手順(AIに集計クエリを出力させて元データと突き合わせる)
MCPは取得を速くしますが、正しさは保証しません。 検証手順を決めずに展開すると、間違った数字で意思決定する事故が起きます。
2026年7月28日版の仕様で変わったこと
MCPの仕様は2026年7月28日版で大きく更新されました。サーバーを選ぶときに関係するのは次の3点です。
| 変更 | 内容 | 選定への影響 |
|---|---|---|
| 3つの機能が非推奨に | Roots・Sampling・Logging が非推奨(Deprecated)になった。当面は動くが、新しい実装では使わないよう求められている | これらに頼るサーバーは、今後の更新で作り直しが入る可能性がある |
| 接続のたびの初期化が不要に | 最初の初期化手順(initialize)がなくなり、各リクエストが仕様の版と機能を持つ形になった。サーバーは server/discover で対応する版と機能を示す | 古い版のままのサーバーとは、クライアント側の対応状況によって接続できない場合がある |
| 旧来の通信方式も非推奨に | HTTP+SSE方式が非推奨として整理され、Streamable HTTP への移行が求められている | リモートのサーバーは Streamable HTTP に対応しているかを確認する |
Filesystem Server のように、許可するフォルダを Roots で動的に渡す仕組みを持つサーバーもあります。今後は起動時の引数や設定で許可フォルダを指定する方法を使うのが無難です。
出典:Key Changes(2026-07-28)|Model Context Protocol 参照:https://modelcontextprotocol.io/specification/2026-07-28/changelog
よくある質問
Q. MCP対応ツールはどこで探せばいいですか?
A. まず使っている各SaaSの公式ドキュメントを確認してください。公式が提供していればホスト済みで導入が軽く済みます。第三者やコミュニティの実装は、権限とコードの出所を確認したうえで判断してください。
Q. ホスト済みと自前運用はどちらがいいですか?
A. 導入工数はホスト済みが圧倒的に軽く、URL登録とOAuth認証だけで済みます。自前運用は認証情報の準備やデプロイが必要ですが、社内のデータに対して自分たちで制御できます。まずホスト済みから始めるのが現実的です。
Q. 読み取り専用のMCPサーバーは使う価値がありますか?
A. あります。分析とレポーティングの工数削減が主な価値です。むしろ書き込みができるサーバーは、AIの誤操作リスクを踏まえた承認運用が必要になるため、読み取り専用のほうが導入のハードルが低いケースもあります。
Q. MCPに対応していないツールのデータはどうすればいいですか?
A. そのツールのAPIを直接使う、またはCSVエクスポートしてAIに渡す形になります。MCP対応の有無だけでツールを選ぶのは、機能や料金の判断を歪めるため慎重に検討してください。
Q. 2026年7月28日版の仕様で、使えなくなった機能はありますか?
A. Roots・Sampling・Logging の3機能が非推奨になりましたが、すぐに使えなくなるわけではありません。仕様では非推奨の機能に最低12ヶ月の移行期間を設けており、その間に引数での指定やLLMのAPIの直接利用などへ移ることが求められています。
Q. MCPサーバーを選ぶとき、仕様の版は気にすべきですか?
A. リモートのサーバーを選ぶときは、Streamable HTTP に対応しているかと、提供元が更新を続けているかを確認してください。更新が止まっているサーバーは、仕様の変更に追従できず接続できなくなるおそれがあります。
Q. DejamはMCPに対応していますか?
A. 2026年10月時点で対応していません。MCPサーバー・公開APIとも提供しておらず、AIによる改善案の提示はツール内のCROサジェスト・LPOチェッカーで提供しています。外部AIツールからの参照が要件の場合はご確認のうえ判断してください。
まとめ
MCP対応ツールを比較するときの要点は次の3つです。
- クライアント側(AIツール)とサーバー側(データ)を分けて考える。両方揃わないと動かない
- 最も効くのはホスト形態の違い。ホスト済みならURL登録とOAuth認証で数分、自前運用は開発リソースが必要
- 読み取り専用は多くの場合、安全設計。書き込み可のサーバーは承認運用が前提になる
導入順は「ドキュメント系 → 使っているSaaSの公式MCP → 広告系」が現実的です。そして接続に使うアカウントの権限と、数字の検証手順を先に決めてから展開してください。
CVR改善ならDejam!データを見た後の改善を実行に移す
Dejamは、LP制作・ヒートマップ分析・ABテスト・AI自動解析をオールインワンで提供するCVR改善特化ツールです。MCPで分析が速くなったあと、「では実際にどこをどう変えるか」の工程を担います。
Dejamが選ばれる理由
- 分析から実行までワンプロダクト: LP制作・ヒートマップ分析・ABテストを単一ツールで完結
- 改善案の自動提案: CROサジェストがAIでLPを分析し最短1分で改善案を提示。そのままABテストへ
- 月額3万円〜利用可能: PV数に応じた従量課金
- ユーザー課金なし: 何名で使っても追加費用は発生しない
- ISMS認証取得: ISO/IEC 27001:2022 認証取得済み
Dejam は2026年10月時点でMCPサーバー・公開APIを提供していません。 外部のAIツールからDejamのデータを参照する運用が前提の場合は、この点をご確認のうえご検討ください。