損失回避とは、同じ大きさであれば利得よりも損失を重く感じる心理傾向です。フレーミング効果とは、同じ事実でも提示のしかたによって判断が変わる現象です。
この2つはセットで使います。「同じ事実を、得として語るか損として語るか」がLPのコピーの設計そのものになります。
記事のポイント
- 損失回避とフレーミング効果の関係
- 参照点をどこに置くかで伝わり方が変わる
- 料金の単位を変えた公開事例(購入数57.4%向上)
- 得フレームと損フレームの使い分けの基準
- 不安を煽る表現との境界線
目次
- 損失回避とは
- フレーミング効果とは
- 参照点をどこに置くか
- ①利得フレームと損失フレームの使い分け
- ②単位を変えるフレーミング
- ③基準を変えるフレーミング
- 越えてはいけない線
- Dejamでフレーミングを検証する
- よくある質問
- まとめ
損失回避とは
損失回避とは、同じ金額・同じ大きさであれば、得るよりも失うほうを重く感じる傾向です。
ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが1979年に提唱したプロスペクト理論の中核をなす性質で、価値関数には次の3つの性質があるとされています(参考: プロスペクト理論 - 一橋大学 ファイナンス用語集)。
| 性質 | 内容 |
|---|---|
| 参照点依存性 | 絶対額ではなく、基準点からの変化で評価する |
| 感応度逓減性 | 変化が大きくなるほど、追加1単位の感じ方は小さくなる |
| 損失回避性 | 損失は、同額の利得より大きく感じられる |
実務で最も重要なのは参照点依存性です。 人は「5万円」そのものを評価しているのではなく、「何と比べて5万円なのか」を評価しています。 参照点を動かせば、同じ価格の印象が変わります。
フレーミング効果とは
フレーミング効果とは、同じ内容でも提示の枠組み(フレーム)が変わると判断が変わる現象です。 認知バイアス18選でも代表的なものとして挙げられています。
| 同じ事実 | 利得フレーム | 損失フレーム |
|---|---|---|
| CVRが1%から1.5%になる | CVRが1.5倍になる | 今のLPは本来取れるCVの3分の1を捨てている |
| 月12万円のツール費 | 月12万円で改善体制が作れる | 月12万円を払わないと、月100万円の広告費が溶け続ける |
| 改善の所要期間 | 2週間で結果が出る | 着手しない2週間も広告費は出ていく |
損失回避があるため、損失フレームのほうが強く働きます。 ただし後述のとおり、常に損失フレームが正解ではありません。
参照点をどこに置くか
コピーを書き換える前に、読み手の参照点を決めます。
| 参照点 | 置き方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 現状 | 今のままだと何を失うか | 課題が自覚されている |
| 理想 | 改善後に何が得られるか | 課題が自覚されていない |
| 競合・代替手段 | 外注や他ツールと比べてどうか | 比較検討段階 |
| 投資額 | 広告費など既に払っている額と比べる | 予算承認が必要 |
「投資額」を参照点にするのが、BtoBで最も強い型です。 月100万円の広告費を使っている企業に対して「月12万円」を単体で提示すると高く見えますが、「広告費の12%でCVRを改善する体制が作れる」と置くと安く見えます。
①利得フレームと損失フレームの使い分け
損失フレームが常に強いわけではありません。 使い分けの基準があります。
| 状況 | 使うフレーム | 理由 |
|---|---|---|
| 課題が自覚されている | 損失フレーム | 放置コストを可視化すると動く |
| 課題が自覚されていない | 利得フレーム | 損失を語っても自分事にならない |
| 予防的な商材(セキュリティ・保険) | 損失フレーム | 起きる損失が訴求の中心 |
| 向上的な商材(学習・美容) | 利得フレーム | なりたい状態が訴求の中心 |
| 既存顧客への継続訴求 | 損失フレーム | 失う機能・条件を示す |
| 初回接触 | 利得フレーム | 不安を与えると離脱する |
ファーストビューは利得フレーム、中盤以降で損失フレームに切り替える構成が扱いやすいです。 初見で不安を与えると離脱します。ファーストビューの検証は「ファーストビューのABテスト」を参照してください。
②単位を変えるフレーミング
同じ金額でも、単位を変えると印象が変わります。 感応度逓減性が働くためです。
| 変更の型 | Before → After |
|---|---|
| 総額 → 月額 | 年間36万円 → 月額3万円 |
| 月額 → 日額 | 月額3万円 → 1日1,000円 |
| 率 → 額 | 20%OFF → 2,000円引き |
| 額 → 率 | 1万円引き → 50%OFF |
| 絶対数 → 割合 | 66% → 3人に2人 |
公開事例では、商品ページの価格表示を総額中心から月払い中心に変えた結果、次の結果が出ています。
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| 購入数 | +57.4% |
| 購入ボタンクリック | +17.6% |
| 総収益 | +825.7% |
信頼度99%、サンプル2,800人以上、43日間。Corebiz が Joias Gold(ブラジルの宝飾品EC)向けに実施した事例です(出典: 【ABテスト事例】トータルの金額と月払いの金額、どちらが効果的? - DLPO)。
この数値は高単価商材の文脈に依存します。 分割払いの提示が購入可能性そのものを変えたケースです。低単価商材では同じ幅は出ません。
「率」と「額」はどちらが有利か計算で決まります。 一般に低単価では率、高単価では額のほうが大きく見えます。テストの前に自社の価格帯で計算してください。
一方、絶対数を割合に変える言い換えには注意が必要です。数値表記を「66%」から「3人に2人」に変えて契約が106%増加したという事例がありますが、信頼度・サンプルサイズ・テスト期間がいずれも報告されていません(出典: 【ABテスト事例】最高の結果を得るための数字の提示方法とは? - DLPO)。言い換えというアイデアだけを借り、数値は自社で取り直してください。
③基準を変えるフレーミング
比較対象を変えると、同じ数値の評価が変わります。 アンカリング効果と重なる領域です。
| 変更の型 | 例 |
|---|---|
| 自社内の上位プランと比べる | オールインワン12万円に対しオプティマイズ3万円 |
| 外注費と比べる | LPO外注の相場は月50万円〜 |
| 人件費と比べる | 専任1名の採用コストに対しツール費 |
| 広告費と比べる | 月間広告費に対する比率で示す |
| 機会損失と比べる | 改善しない場合に失うCV数 |
外注費・人件費と比較する場合は出典が必要です。 相場の記載は「LPO外注とは?費用相場・失敗しない選び方・内製化との比較」なども参照してください。
越えてはいけない線
フレーミングは「同じ事実の言い換え」である限り正当です。 事実が変わったら表示の問題になります。
| 正当な実装 | 規制される実装 |
|---|---|
| 月額を強調し、総額も併記する | 総額を隠して月額だけ見せる |
| 実際に起きる損失を示す | 事実でない不安を煽る |
| 出典つきの相場と比較する | 根拠のない「他社の半額」 |
| 「3人に2人」=実データの66% | 実データのない割合表現 |
| 無料期間の終了を事前告知する | 告知せず自動課金する |
総額を隠して月額だけを強調する設計は有利誤認に当たりえます。 月額を強調する場合も、総額または契約期間を同一視認範囲に併記してください。
予防的な商材で損失フレームを使う場合、示す損失が事実である必要があります。 起きない被害を提示すると優良誤認・有利誤認の問題になります。詳細は「優良誤認とは?LPでやりがちなNG表現と措置命令の事例」「有利誤認とは?二重価格表示・期間限定キャンペーンの落とし穴」を確認してください。
不安を過度に煽る設計は、消費者庁が規制に動いている領域と重なります。類型は「ダークパターン30選と改善案」を参照してください。
Dejamでフレーミングを検証する
ABテスト
フレーミングの検証は文言の差し替えだけで済みます。デザイン変更テストで、利得フレームと損失フレームのコピーをノーコードで比較できます。AIが自然言語の指示からテストコードを生成するため、言い換え案を同日に出せます。
ヒートマップ
熟読ヒートマップで、書き換えたコピーが実際に読まれているかを確認できます。 読まれていない位置の言い換えは効果がありません。
LP制作
フレームを変えた複数案をノーコードで用意できます。ファーストビューは利得フレーム、中盤は損失フレームといった構成レベルの差し替えも試せます。
よくある質問
Q. 損失回避とフレーミング効果の関係は何ですか?
A. フレーミング効果は「提示のしかたで判断が変わる」現象、損失回避は「損を重く感じる」性質です。 損失回避があるため、損失フレームのほうが強く働きます。フレーミングを使う際に損失回避を理解しておくと効果的に扱えます。
Q. 損失フレームは常に強いのですか?
A. いいえ。課題が自覚されていない相手には効きません。 損失を語っても自分事にならないためです。初回接触とファーストビューは利得フレーム、課題を自覚した中盤以降で損失フレームに切り替える構成が扱いやすいです。
Q. 料金は月額表示にしたほうがいいですか?
A. 高単価商材では効きやすい傾向があります(購入数57.4%向上・信頼度99%の事例あり)。ただし総額を隠すと有利誤認のリスクがあるため、総額または契約期間を同一視認範囲に併記してください。
Q. 割引は「率」と「額」のどちらで書くべきですか?
A. 価格帯によって変わります。 一般に低単価では率、高単価では額のほうが大きく見えます。自社の価格帯で計算して大きく見えるほうを選び、テストで確認してください。
Q. 不安を煽るコピーは問題になりますか?
A. 示す損失が事実でなければ問題になります。 実際に起きる損失の提示は正当ですが、起きない被害を提示すると優良誤認・有利誤認に当たりえます。過度な煽りは消費者庁が規制に動いている領域と重なります。
まとめ
損失回避とフレーミング効果について、要点を整理します。
- 損失回避は同額なら損を重く感じる性質(プロスペクト理論)
- 実務で最も重要なのは参照点依存性。「何と比べて」で印象が変わる
- BtoBで最も強い参照点は既に払っている広告費
- 損失フレームが強いが、課題が自覚されていない相手には効かない
- ファーストビューは利得フレーム、中盤以降で損失フレームが扱いやすい
- 単位を変えるだけで動く(月払い中心に変更して購入数57.4%向上・信頼度99%)
- ただしその数値は高単価商材の文脈に依存する
- 「率」と「額」は価格帯で有利なほうが変わる。 計算で決める
- 「3人に2人」の106%増の事例は信頼度・サンプル未報告
- 総額を隠して月額だけ見せない。 有利誤認のリスク
- 損失フレームで示す損失は事実であること
CVR改善ならDejam!言い換え案を同日に出して検証する
Dejamは、LP制作・ヒートマップ分析・ABテスト・AI自動解析をオールインワンで提供するCVR改善特化ツールです。「コピーが弱い気がする」という段階から、言い換えを検証して積み上げるまでを総合支援します。
Dejamが選ばれる理由
- ワンプロダクトで完結: LP制作・ヒートマップ分析・ABテストをすべて単一ツールで実施
- 月額3万円〜利用可能: オプティマイズプラン月額3万円〜 / CMSプラン月額5万円〜 / オールインワン月額12万円〜
- ユーザー課金なし: 何名で使っても追加費用は発生しない
- ISMS認証取得: ISO/IEC 27001:2022 & JIS Q 27001:2023認証取得済み
- 毎週アップデート: 市場トレンドとユーザーリクエストに応じて機能を毎週拡充
- 権威ある実績: 代表がダイレクトアジェンダで2連覇。LPO顕彰制度「LPO AWARD」主催者
Dejamの主要機能
- LP/記事LP制作: ノーコード・コードの切り替えに対応。AIで生成したコードを直接取り込み可能
- ヒートマップ: 5種類(クリック/クリックイベント/熟読/滞在/離脱)。データ保存期間無制限
- ABテスト: デザイン変更テスト・リダイレクトテスト・ポップアップテストの3種類。AIが自然言語でテストコードを自動生成
- 自動解析: どのコンテンツがCVRに貢献しているかAIが自動解析。ゴールデンルート機能でページ遷移の最適パスも特定
- プロジェクト管理: 改善施策の進捗をチームで共有できる
フレーミングの検証は文言の差し替えだけで済むため、ABテストの本数を最も稼げる領域です。 開発の順番待ちが入らないことが、そのまま検証本数になります。


