ecbeingで構築した大規模ECサイトの改善が止まる理由は、たいてい技術ではなく順番待ちです。
「改修は開発ベンダーへ依頼」「依頼するには社内の合意が要る」「合意を得るには根拠が要る」——この根拠が用意できないために、改善案が会議で止まり続ける。ecbeing のようなパッケージ型のサイトで、最もよく起きる停滞がこれです。
必要なのは、改修する前に効果を確かめる手段です。本記事では、ecbeing のサイトにヒートマップ等のCVR改善ツールを導入する手順と、改修を待たずに検証を回す進め方を解説します。
記事のポイント
- タグの設置場所(共通ヘッダテンプレートだけでは足りない)
- 公式マニュアルが非公開である点をどう扱うか
- 導入前に確認するレスポンスヘッダー
- 大規模サイトで離脱が起きやすい3箇所
- 改修の順番待ちを回避する検証の進め方
目次
- ecbeingのサイトでCVR改善が止まる理由
- タグの設置場所
- トップページだけ計測されない事故を防ぐ
- 導入前に確認するレスポンスヘッダー
- 分析できる範囲・できない範囲
- ecbeingのサイトで見るべき3箇所
- 改修を待たずに検証する
- Dejamで改善を進める
- よくある質問
- まとめ
ecbeingのサイトでCVR改善が止まる理由
ecbeing は国内シェア上位のパッケージで、大手企業の基幹ECに採用されています。機能が豊富で拡張性も高い一方、運用面では次の構造があります。
| 構造 | 結果として起きること |
|---|---|
| 改修は開発ベンダーへの依頼が基本 | 思いついた改善をすぐ試せない |
| サイトが事業の基幹 | 失敗できないため承認のハードルが上がる |
| 関係部署が多い | 「なぜそれを直すのか」の説明が毎回必要になる |
この3つは、いずれも「根拠となる数字」があれば軽くなります。
「なんとなく見づらいので直したい」は通りませんが、「商品ページの7割がスペック表の手前で離脱している」なら、議論は前に進みます。ヒートマップを入れる目的は、改善案を出すことより、改善案を通すことにあります。
タグの設置場所
先に注意点を書きます。ecbeing の運用マニュアルは顧客向けに提供されるもので、一般公開されていません。 また導入企業ごとにカスタマイズされているため、画面構成や名称が自社環境と異なる可能性があります。
以下は、複数のツールベンダーが公開している ecbeing 向け導入手順で共通している内容です(Flipdesk サポートセンターほか)。最終的には担当ディレクターに確認してください。
計測タグ(全ページ)
- 管理画面で CMS画面 を開く
- テンプレート管理 を開く
- 共通ヘッダテンプレート を開き、ソース上にタグを設置
- 更新 をクリック
コンバージョンタグ(注文完了)
- CMS画面の左上にある タグ管理 をクリック
- 注文完了 をクリック
- 挿入タグ設定 にコンバージョンタグを設置
- 更新 をクリック
トップページだけ計測されない事故を防ぐ
共通ヘッダテンプレートに入れただけでは、トップページにタグが入りません。
ecbeing ではトップページヘッダーが別テンプレートとして用意されており、同じタグをこちらにも設置して更新する必要があります。ここが最も入れ忘れやすい箇所です。
厄介なのは、入れ忘れても大半のページでは正常にデータが取れてしまう点です。商品ページもカテゴリページも計測できているため、異常に見えません。トップページのヒートマップだけがいつまでも空という形で、数週間後に気づくことになります。
設置後は必ずトップページを開いて、開発者ツール(F12)の Network タブでタグが読み込まれているかを確認してください。 管理画面で保存できたこと=そのページに出力されていること、ではありません。
導入前に確認するレスポンスヘッダー
CVR改善ツールは、①タグによる計測と、②サイトをiframeで読み込むビジュアルエディタの2つでできています。止まる原因が別なので分けて確認します。
| ヘッダー | 影響する機能 |
|---|---|
X-Frame-Options | ABテスト・LPOのビジュアルエディタ |
Content-Security-Policy | 計測タグの読み込みと送信 |
大規模サイトでは、セキュリティ要件としてこれらのヘッダーが設定されているケースが多くあります。ただし、X-Frame-Options: DENY が設定されていても、ヒートマップの計測は動きます。 止まるのは編集画面だけです。
この切り分けは、社内のセキュリティ部門と話すうえで重要です。 「ツールを入れるからヘッダーを外してほしい」ではなく、「計測はこのままで始められる。編集機能を使う段階になったら、ツールのドメインだけを許可する形で相談したい」と分けて説明できます。
現状は次のコマンドで確認できます。
curl -sI https://(自社ドメイン) | grep -i "x-frame-options\|content-security-policy"
依頼するときの文面を含む詳細はCVR改善ツールが動かない原因はヘッダー|X-Frame-OptionsとCSPの確認方法にまとめています。
分析できる範囲・できない範囲
| 画面 | 計測 |
|---|---|
| トップ・カテゴリ・商品ページ | ⭕️ |
| サイト内検索の結果ページ | ⭕️ |
| カート画面 | 🔶 セキュリティ上、動かないことがある |
| 決済・購入完了画面 | ❌ 対象外 |
| 会員登録・問い合わせフォーム | ⭕️ |
**改善対象は「カート投入前まで」**です。決済画面が対象外であることは実務上の制約になりにくく、大規模サイトほど、離脱は商品にたどり着く前に起きています。
ecbeingのサイトで見るべき3箇所
商品点数が多い大規模サイト特有のボトルネックがあります。
1. カテゴリ・絞り込みの操作
商品点数が数千〜数万になると、目的の商品にたどり着けないことが最大の離脱要因になります。
クリックヒートマップで絞り込み条件のどれが使われているかを見ます。用意した条件のうち、実際に押されているのは数個だけというケースがよくあります。使われない条件が並んでいると、必要な条件が埋もれます。
2. サイト内検索の結果ページ
検索した時点で購入意欲は高い状態です。にもかかわらず結果ページから離脱しているなら、探しているものが出ていません。
結果ページの熟読・離脱を見て、上位に表示された商品が見られているかを確認します。検索結果の改善は、カテゴリ導線より優先度が高い場合が多くあります。
3. 会員登録・ログインの分岐
大規模ECでは会員機能が前提になっていることが多く、購入手続きの手前で「ログイン / 新規登録 / ゲスト購入」の分岐が入ります。
ここは離脱が集中する箇所です。クリックヒートマップで、ゲスト購入がどれだけ選ばれているかを見てください。ゲスト購入の導線が小さく置かれている場合、その視認性を上げるだけで数字が動くことがあります。
改修を待たずに検証する
課題が見つかったあと、すぐ改修依頼を出すのは得策ではありません。
| 進め方 | 問題点 |
|---|---|
| 改修依頼 → 実装 → 結果を見る | 数週間〜数か月かかる。外れたときの損失が大きい |
| ABテストで先に検証 → 勝った案だけ改修依頼 | 数日で判断できる。依頼時に根拠を添えられる |
ABテストツールは、テンプレートを書き換えずにページの一部を出し分けられます。 開発ベンダーへの依頼は、勝ちパターンが確定してから「この形で恒久実装してほしい」と出すほうが、承認も実装も速く進みます。
これは技術の話ではなく、社内の合意形成の話です。 ecbeing のような環境では、こちらのほうが効きます。
Dejamでecbeingサイトの改善を進める
ヒートマップ
クリック・クリックイベント・熟読・滞在・離脱の5種類を計測します。熟読は4秒以上の滞留、離脱・滞在は5%刻みの20バンドで見られるため、「絞り込み条件のどれが使われているか」「検索結果のどこで諦めたか」を数字で示せます。データ保存期間は無制限なので、繁忙期の前年同期比較にも使えます。
ABテスト
デザイン変更テスト・リダイレクトテスト・ポップアップテストの3種類。テンプレートを改修せずに検証できるため、開発ベンダーへの依頼前に効果を確かめられます。AIが自然言語からテストコードを自動生成します。
EFO・フォーム最適化
決済画面が対象外でも、会員登録・問い合わせフォームは改善対象にできます。どの入力項目で離脱しているかを1項目ずつ特定できます。
よくある質問
Q. タグを設置したのに、トップページだけデータが取れません。
A. トップページヘッダーが別テンプレートになっています。 共通ヘッダテンプレートに加えて、そちらにも同じタグを設置して更新してください。最も多いつまずきです。
Q. 記事に書かれているメニュー名が管理画面に見当たりません。
A. ecbeing は導入企業ごとにカスタマイズされており、公式の運用マニュアルも顧客向けの提供です。画面構成が異なる場合は、担当ディレクターまたは開発ベンダーに「共通ヘッダテンプレートに相当する箇所」を確認してください。
Q. セキュリティ部門からヘッダーの変更許可が下りません。
A. 計測機能はヘッダーを変更しなくても動きます。 まずヒートマップで現状把握を始め、編集機能が必要になった段階で、CSPの frame-ancestors でツールのドメインだけを許可する形を提案してください。全面解除ではないため承認を得やすくなります。
Q. 開発ベンダーに依頼せずにサイトを変更してよいのですか?
A. ABテストツールによる出し分けは、テンプレートを書き換えるものではありません。ただし社内ルール上の扱いは事前に確認してください。 基幹サイトでは、ツールの導入自体に申請が必要な場合があります。
まとめ
- タグは CMS画面 > テンプレート管理 > 共通ヘッダテンプレート(各社ベンダーの手順で共通)
- トップページヘッダーにも別途設置が必要。入れ忘れるとトップだけ計測されない
- 公式マニュアルは非公開のため、最終確認は担当ディレクターへ
X-Frame-Options: DENYでも計測は動く。セキュリティ部門とは分けて話す- 分析範囲はカート投入前まで
- 見るべきは絞り込み操作・サイト内検索の結果・会員登録の分岐
- 改修依頼の前にABテストで検証する。根拠を添えれば承認も実装も速い
ECサイト全体のCVR改善の考え方はECサイトのCVR改善ガイドにまとめています。
CVR改善ならDejam!改修を待たずに検証を回す
Dejamは、LP制作・ヒートマップ分析・ABテスト・AI自動解析をオールインワンで提供するCVR改善特化ツールです。「改善案は出るが、承認と実装で止まる」という段階から、本格的なPDCAを回して成果を最大化するまでを総合支援します。
Dejamが選ばれる理由
- 国内唯一のワンプロダクト: LP制作・ヒートマップ分析・ABテストをすべて単一ツールで完結
- 月額3万円〜利用可能: オプティマイズプラン月額3万円〜 / CMSプラン月額5万円〜 / オールインワン月額12万円〜
- ユーザー課金なし: 何名で使っても追加費用は発生しない。部署を横断して使っても費用が増えない
- ISMS認証取得: ISO/IEC 27001:2022 & JIS Q 27001:2023認証取得済み
- 毎週アップデート: 市場トレンドとユーザーリクエストに応じて機能を毎週拡充
Dejamの主要機能
- LP/記事LP制作: ノーコード・コードの切り替えに対応。AIで生成したコードを直接取り込み可能
- ヒートマップ: 5種類(クリック/クリックイベント/熟読/滞在/離脱)。データ保存期間無制限
- ABテスト: デザイン変更テスト・リダイレクトテスト・ポップアップテストの3種類
- 自動解析: どのコンテンツがCVRに貢献しているかAIが自動解析
- 独自ドメイン300件まで無料: LP専用ドメインを大量運用しても追加費用なし
関係部署が多い大規模サイトでは、ユーザー課金がない点とISMS認証を取得している点が、社内調整の材料になります。


