「価格を出すべきか、問い合わせにすべきか」「月額表示と総額表示、どちらが売れるのか」——価格表示はCVRへの影響が大きい一方、景品表示法に最も触れやすい領域です。
本記事では、価格表示のABテストを5つの検証軸に分け、公開事例の数値と法令上の注意点をあわせて解説します。
記事のポイント
- 価格表示の検証軸は有無・換算・並び順・書き方・オファーの5つ
- 月額換算に変えて購入数57.4%増の事例(信頼度99%)
- プランを高い順に並べ替えて注文数14.9%増の事例
- クリック率が下がっても注文が増えることがある
- 二重価格表示・期間限定はテスト設計の時点で法令確認が必要
目次
- 価格表示のABテストは「見せ方」で大きく動く
- ①価格を出すか出さないか
- ②総額表示と月額換算
- ③プランの並び順(アンカリング)
- ④数値の書き方
- ⑤オファー・特典
- 公開事例の数値
- 景品表示法に触れないテスト設計
- Dejamで価格表示を検証する
- よくある質問
- まとめ
価格表示のABテストは「見せ方」で大きく動く
価格表示のテストには2種類あります。
| 種類 | 内容 | 難易度 |
|---|---|---|
| 価格そのもののテスト | 8,000円と10,000円のどちらが売れるか | 高い。既存顧客との不公平が生じる |
| 見せ方のテスト | 同じ価格を、どう表示すると伝わるか | こちらから着手する |
まず「見せ方」から着手してください。 価格そのもののABテストは、同時期に別価格で購入した顧客が発生します。後から気づかれたときの心象リスクがあり、サブスクリプションでは契約条件の整合も問題になります。
見せ方のテストは価格を変えないため、この問題が起きません。 そして後述のとおり、見せ方だけで大きく動きます。
①価格を出すか出さないか
BtoBのLPで最も多い論点です。
| 変更の型 | 仮説 |
|---|---|
| 価格非表示 → 価格表示 | 問い合わせ前の不安が消える |
| 価格表示 → 「初期費用0円・月額◯円〜」の下限表示 | 心理的な下限が示せる |
| 価格非表示 → 料金シミュレーターへの導線 | 自社の条件で概算が出せる |
| 総額 → 内訳(初期費用・月額・オプション) | 追加費用の不安が消える |
「価格を出すとクリック率は下がるが、注文は増える」ことがあります。 後述の公開事例では、価格表示を追加したパターンでクリック率が32%低下した一方、注文数は113%増加しました(信頼度99%)。
クリック率の低下は、購入意向のないユーザーが減っただけです。 価格表示のテストでは、クリック率だけを見て判断してはいけません。
②総額表示と月額換算
| 変更の型 | 仮説 |
|---|---|
| 総額を大きく → 月額換算を大きく | 1回あたりの支払額が小さく見える |
| 月額のみ → 月額+年額(年払い割引率つき) | 年払いの得が伝わる |
| 月額表示 → 1日あたりに換算 | さらに小さい単位で示せる |
| 税抜 → 税込表示 | 支払総額が正確に伝わる |
総額を隠して月額だけを見せる設計は、法令上の注意が必要です。 消費者が支払う総額を誤認させる表示は有利誤認に当たりえます。月額を強調する場合も、総額または契約期間を同一視認範囲に併記してください。
③プランの並び順(アンカリング)
アンカリング効果は、先に見た価格が基準になり、後の価格の印象を左右する現象です。
| 変更の型 | 仮説 |
|---|---|
| 安い順 → 高い順 | 最初に見た高額プランが基準になり、中位が割安に見える |
| 3プラン → 4プラン(最上位を追加) | 従来の最上位が中間になり選ばれやすくなる |
| 推奨プランにラベルを付ける | 選択の迷いが減る |
| プランを横並び → 縦積み(モバイル) | 比較が完了しやすい |
ただし「高い順が常に勝つ」わけではありません。 後述の事例では高い順で全体注文数が14.9%増えましたが、安価プランの購入率は10.6%低下しています。安価プランを主力にしている場合、同じ変更が逆効果になります。
最上位プランを「選ばせるため」ではなく「比較の基準として置く」設計は、そのプランを実際に提供できることが前提です。 提供実態のないプランを表示すると景品表示法上の問題になります。
④数値の書き方
| 変更の型 | 仮説 |
|---|---|
| パーセント → 分数(66% → 3人に2人) | 規模感が直感的に伝わる |
| 端数を残す(10,000円 → 9,800円) | 価格の下限帯が変わる |
| 桁区切りの有無 | 読み取りやすさが変わる |
| 割引を「率」→「額」(20%OFF → 2,000円引き) | 得の大きさが具体になる |
割引の「率」と「額」は、金額の大小で有利なほうが変わります。 一般に低単価では率、高単価では額のほうが大きく見えます。自社の価格帯でどちらが有利かは計算で決められるため、テストの前に整理してください。
⑤オファー・特典
| 変更の型 | 仮説 |
|---|---|
| 期間限定オファーの表示を足す | 先延ばしされない |
| 送料無料ラインを表示する | 追加購入の動機になる |
| 返金保証を明示する | 失敗リスクが消える |
| 初期費用0円を強調する | 導入時のハードルが下がる |
期間限定は運用が伴わないと有利誤認になります。 常時「今月限定」を掲示し続ける運用は不可です。詳細は「有利誤認とは?二重価格表示・期間限定キャンペーンの落とし穴を事例で解説」を参照してください。
公開事例の数値
| 変更内容 | 結果 | 信頼度 | サンプル・期間 | 実施 |
|---|---|---|---|---|
| 総額を大きく表示 → 月払いのみを大きく表示 | 購入数 57.4%向上(総収益825.7%向上・購入ボタンクリック17.6%向上) | 99% | 2,800人以上・43日間 | Corebiz / Joias Gold |
| プランの並びを最高額(500Mbps)を最上位に変更 | 全体注文数 14.9%増(500Mbps購入割合5.35%→7.19%、安価プランは25.3%→22.75%) | 500Mbps:99% / 全体:92% | 11,300人以上・37日間 | Greenhouse Group / T-Mobile Thuis |
| 商品ページに価格を表示+「今すぐ購入」リンク追加 | 注文数 113%増加(クリック率は32%低下) | 99% | 記載なし | RedEye / TTSグループ |
| 数値表記を「66%」→「3人に2人」 | 契約 106%増 | 報告なし | 記載なし | 米メディケア・メディケイドサービスセンター |
(出典: DLPO ブログのABテスト事例)
読み方は3点です。
1点目。月額換算の効果は大きい一方、総収益825.7%向上という数値は文脈依存です。 この事例は宝飾品という高単価商材で、分割払いの提示が購入可能性そのものを変えたケースです。低単価商材では同じ幅は出ません。
2点目。並び順の変更は「どのプランを売りたいか」で評価が変わります。 全体注文が14.9%増えても、安価プランの購入率は10.6%下がっています。主力が安価プランなら、この変更は失敗です。
3点目。「3人に2人」の106%増は信頼度が報告されていません。 サンプルサイズも期間も公開されていないため、再現の根拠になりません。表現の言い換えというアイデアだけを借り、数値は自社で取り直してください。
事例の扱い方は「ABテストのアイデア52選」でも整理しています。
景品表示法に触れないテスト設計
価格表示は、ABテストの設計段階で法令確認が必要な数少ない領域です。
| 検証内容 | 確認すべきこと |
|---|---|
| 二重価格表示(通常価格に取り消し線) | 比較対照価格に販売実績の裏付けがあるか |
| 期間限定 | 期間終了後に実際に価格を戻す運用があるか |
| 「業界最安値」「No.1」 | 調査の出典・調査時点・対象範囲を表示できるか |
| 月額のみ強調 | 総額または契約期間を同一視認範囲に併記しているか |
| 最上位プランの追加 | そのプランを実際に提供できるか |
テストパターンだけに違反表示を入れてしまう事故に注意してください。 「Bパターンにだけ通常価格の取り消し線を入れる」といった設計は、そのパターンが表示されている期間、違反状態のページが配信されます。
関連する論点は次の記事で扱っています。
- 優良誤認とは?LPでやりがちなNG表現と措置命令の事例をわかりやすく解説
- No.1表示・打消し表示の実務|「顧客満足度No.1」を根拠から作る方法
- ダークパターン30選と改善案|消費者庁の規制案対応チェックリスト付き
Dejamで価格表示を検証する
ABテスト
デザイン変更テストで、料金セクションの表示だけを差し替えて比較できます。プランの並び順・月額換算・推奨ラベルはいずれもノーコードで検証できます。 料金ページ全体を作り替える規模ならリダイレクトテストを使います。
ヒートマップ
クリックイベント計測で、どのプランのボタンが押されたかをプラン別に取れます。全体CVRだけでは「並び順を変えて安価プランが減った」という内訳が見えません。熟読ヒートマップでは、料金表がどこまで読まれているかも分かります。
自動解析
料金セクションがCVRに貢献しているかをAIが解析します。価格の見せ方を変える前に、そもそも料金表が読まれているかを確認できます。
よくある質問
Q. LPに価格を出したほうがいいですか?
A. テストで確かめる価値の高い論点です。 公開事例では、価格を表示するとクリック率は32%低下した一方、注文数は113%増加しました(信頼度99%)。クリック率だけを見て判断しないでください。
Q. 総額と月額はどちらを大きく表示すべきですか?
A. 高単価商材では月額換算が有利になりやすい傾向があります(購入数57.4%向上の事例あり)。ただし総額を隠すと有利誤認のリスクがあるため、総額または契約期間は同一視認範囲に併記してください。
Q. プランは高い順に並べたほうがいいですか?
A. 売りたいプランによります。 高い順にして全体注文数が14.9%増えた事例でも、安価プランの購入率は10.6%低下しています。主力が安価プランなら逆効果です。
Q. 価格そのものをABテストしてもいいですか?
A. 推奨しません。 同時期に別価格で購入した顧客が発生し、心象リスクと契約条件の整合の問題が生じます。まず「見せ方」のテストから着手してください。
Q. 二重価格表示のABテストはできますか?
A. 比較対照価格に販売実績の裏付けがある場合のみです。テストパターンにだけ根拠のない取り消し線を入れると、そのパターンが配信されている間は違反状態になります。設計前に「有利誤認とは?」を確認してください。
まとめ
価格表示のABテストについて、要点を整理します。
- 検証軸は有無・換算・並び順・書き方・オファーの5つ
- 価格そのものではなく「見せ方」から着手する
- 価格表示の追加はクリック率を下げても注文を増やすことがある(クリック率32%低下・注文113%増の事例)
- 月額換算は高単価商材で効きやすい(購入数57.4%向上・信頼度99%)
- 並び順は売りたいプランで評価が変わる。 全体増でも安価プランは減ることがある
- 総額を隠して月額だけを強調しない。 有利誤認のリスクがある
- 期間限定・二重価格・No.1表示はテスト設計の時点で法令確認する
- テストパターンにだけ違反表示を入れると、その配信期間は違反状態になる
- プラン別のクリックを取らないと、内訳の変化が見えない
CVR改善ならDejam!価格の見せ方をプラン別の内訳まで検証する
Dejamは、LP制作・ヒートマップ分析・ABテスト・AI自動解析をオールインワンで提供するCVR改善特化ツールです。「価格を出すべきか」という段階から、プラン別の内訳まで見て意思決定するまでを総合支援します。
Dejamが選ばれる理由
- ワンプロダクトで完結: LP制作・ヒートマップ分析・ABテストをすべて単一ツールで実施
- 月額3万円〜利用可能: オプティマイズプラン月額3万円〜 / CMSプラン月額5万円〜 / オールインワン月額12万円〜
- ユーザー課金なし: 何名で使っても追加費用は発生しない
- ISMS認証取得: ISO/IEC 27001:2022 & JIS Q 27001:2023認証取得済み
- 毎週アップデート: 市場トレンドとユーザーリクエストに応じて機能を毎週拡充
- 権威ある実績: 代表がダイレクトアジェンダで2連覇。LPO顕彰制度「LPO AWARD」主催者
Dejamの主要機能
- LP/記事LP制作: ノーコード・コードの切り替えに対応。AIで生成したコードを直接取り込み可能
- ヒートマップ: 5種類(クリック/クリックイベント/熟読/滞在/離脱)。データ保存期間無制限
- ABテスト: デザイン変更テスト・リダイレクトテスト・ポップアップテストの3種類。AIが自然言語でテストコードを自動生成
- 自動解析: どのコンテンツがCVRに貢献しているかAIが自動解析。ゴールデンルート機能でページ遷移の最適パスも特定
- プロジェクト管理: 改善施策の進捗をチームで共有できる
クリックイベント計測でプラン別のクリック数が取れるため、「全体は増えたが安価プランが減った」という内訳を見て判断できます。 全体CVRだけで判定すると、主力商品の販売が落ちていることに気づけません。


