「ディスプレイキャンペーンがDemand Genに統合されると聞いたが、何をすればいいのか」——2026年6月から移行が開始され、2027年に完了する予定です。
長年ディスプレイキャンペーンで運用してきたアカウントは、移行が避けられません。 本記事ではDemand Genの仕組みと、移行時に何を確認すべきかを解説します。
記事のポイント
- Demand Genとは何か、ディスプレイ広告と何が違うのか
- 2026年6月から始まる統合のスケジュール
- 移行時に確認すべき5つのこと
- 潜在層向けキャンペーンの成果をどう評価するか
- CVRが低いときにLPをどう設計するか
目次
- Demand Genとは
- ディスプレイキャンペーンとの違い
- 2026年の統合スケジュール
- 移行時に確認すべき5つのこと
- 潜在層向けの成果をどう評価するか
- CVRが低いのは正常。では何をするか
- よくある質問
- まとめ
Demand Genとは
Demand Gen(デマンドジェネレーション)キャンペーンとは、YouTube・Discover・Gmailといった「発見型」の面に、画像や動画で配信するGoogle広告のキャンペーンタイプです。
名前のとおり「需要を生み出す(demand generation)」ことを目的としており、まだ検索していない潜在層にアプローチします。
検索広告が「すでに検索している顕在層」を刈り取るのに対し、Demand Genはその手前の層に認知と興味を作る役割を担います。
ディスプレイキャンペーンとの違い
| ディスプレイキャンペーン | Demand Gen | |
|---|---|---|
| 主な配信面 | Googleディスプレイネットワーク(提携サイト) | YouTube / Discover / Gmail |
| クリエイティブ | バナー画像中心 | 画像+動画。ビジュアル重視 |
| 想定される見え方 | サイト内の広告枠 | フィードに溶け込む形 |
| ターゲティング | 細かく指定可能 | オーディエンスシグナル中心 |
| 位置づけ | 汎用的な認知拡大 | 発見・興味喚起に特化 |
「バナーを提携サイトに出す」から「フィードで見つけてもらう」への転換と捉えると分かりやすくなります。
ユーザーの消費行動がSNSや動画のフィード閲覧中心に移ったことに対応した設計です。
2026年の統合スケジュール
ここが本記事でもっとも重要な部分です。
Googleディスプレイキャンペーンは Demand Gen に統合されます。2026年6月から移行が開始され、2027年に完了する予定です。
つまり、ディスプレイキャンペーンは段階的に廃止され、Demand Genに一本化されます。
実務上の意味
| 影響 | 内容 |
|---|---|
| 既存のディスプレイキャンペーンは移行が必要 | 放置していると自動移行される可能性がある |
| バナー中心の運用は見直しが必要 | Demand Genは動画・ビジュアル重視 |
| 配信面が変わる | 提携サイトの広告枠から、YouTube / Discover / Gmail へ |
| 成果指標の連続性が切れる | 移行前後で単純比較できない |
| 運用マニュアルの書き換え | ディスプレイキャンペーン前提の手順は使えなくなる |
「まだ先の話」と考えず、移行前にやるべきことを整理しておいてください。 移行してから慌てると、配信が止まる期間が生まれます。
移行時に確認すべき5つのこと
1. 動画クリエイティブがあるか
Demand Genは動画の比重が高いキャンペーンです。 バナー画像しか持っていない場合、移行後に配信の質が落ちます。
移行前に動画素材を用意しておくか、少なくとも制作の目処を立てておいてください。既存の画像から簡易的な動画を作る方法もあります。
2. 移行前の実績を記録しておく
移行後は成果指標の連続性が切れます。 配信面もクリエイティブ形式も変わるためです。
移行前の期間の実績(表示回数・クリック・CV・CPA)を手元に保存しておいてください。 管理画面上での比較が難しくなります。
3. コンバージョン計測が正しく動いているか
移行のタイミングで計測に問題があると、機械学習が誤ったデータで学習を始めます。
移行前にキーイベントの設定を確認してください。手順は「【2026年版】GA4のキーイベント(旧コンバージョン)設定方法|計測されないときの対処法も解説」で解説しています。
4. 除外設定の引き継ぎ
ディスプレイキャンペーンで設定していた除外(プレースメント・トピック・オーディエンス)が、そのまま引き継がれるとは限りません。
ブランドセーフティ上の理由で除外していた設定がある場合、移行後に必ず再確認してください。
5. CV地点が潜在層向けになっているか
これが最も重要です。 Demand Genは潜在層に配信されるため、いきなり申し込みや購入を求めてもCVしません。
後述しますが、CV地点の設計を見直さないまま移行すると「Demand Genは成果が出ない」という結論になります。
潜在層向けの成果をどう評価するか
Demand GenのCVRを、検索広告と同じ基準で評価してはいけません。
| キャンペーン | 対象 | CVRの水準 | 評価すべき指標 |
|---|---|---|---|
| 検索広告(指名) | すでに知っている層 | 高い | CV数・CPA |
| 検索広告(一般) | 検索している顕在層 | 中 | CV数・CPA |
| Demand Gen | まだ検索していない潜在層 | 低い | アシスト・指名検索の増加・LTV |
ラストクリックだけで評価すると止めることになる
Demand Genの貢献は、多くの場合ラストクリックには現れません。
- Demand Genで認知 →(この時点ではCVしない)
- 数日後に社名で検索 → CV
この場合、ラストクリック評価ではCVはすべて指名検索の成果になり、Demand Genの貢献はゼロと計上されます。
「CVが出ていないから止めよう」と判断すると、認知が減り、やがて指名検索も減ります。
アトリビューションの考え方は「【2026年版】アトリビューション分析とは?モデルの種類とGA4で使えるのが2つだけになった理由」で解説しています。GA4のモデル比較で、ラストクリックとデータドリブンの差が大きいチャネルが、間接的に貢献しているチャネルです。
見るべき補助指標
- 指名検索の検索ボリューム・流入数の推移 — 認知が増えれば指名検索が増える
- アシストコンバージョン — GA4のコンバージョン経路レポート
- 新規ユーザーの割合
- サイト内の回遊の深さ
CVRが低いのは正常。では何をするか
Demand GenのCVRが検索広告より低いのは正常です。 これを「LPが悪い」と判断してLPを作り直しても、効果は出ません。
やるべきは、潜在層向けの受け皿を作ることです。
1. CV地点を手前に置く
| 検討度 | 適したCV地点 |
|---|---|
| 顕在層(検索広告) | 申し込み・購入・問い合わせ |
| 潜在層(Demand Gen) | 資料ダウンロード・診断・メルマガ登録・動画視聴 |
同じLPに同じCVボタンを置いていては、潜在層は落ちません。 心理的ハードルの低いCVを用意してください。
2. 記事LPを挟む
いきなり商品LPに着地させず、課題の啓蒙から入る記事型のLPを挟む方法です。潜在層は「自分に課題がある」ことに気づいていない段階なので、その認識を作る工程が要ります。
記事LPの考え方は「【2026年版】記事LP広告とは?効果的な運用方法と潜在層へのアプローチを解説」で解説しています。
3. 流入元別にLPを出し分ける
Demand Gen経由と検索広告経由で、同じLPを使う必要はありません。
リダイレクトテストを使えば、流入元別に別のLPへ振り分けられます。潜在層向けには説明を厚く、顕在層向けには申し込み導線を前面に——という設計が可能です。
4. 離脱位置を確認してから直す
推測でLPを作り変えないでください。 Demand Gen経由のユーザーがLPのどこで離脱しているかを確認してから、直す箇所を決めます。
手順は「【2026年版】GA4とヒートマップの併用方法|数値で絞り込み、行動で原因を特定する手順」で解説しています。
Dejamで潜在層向けのLPを設計する
記事LP・LP制作
潜在層向けの記事型LPを、エンジニアの手を借りずに制作できます。ノーコードとコードの切り替えに対応しており、AIで生成したコードの取り込みも可能です。
ABテスト(リダイレクトテスト)
Demand Gen経由だけ別のLPに振り分けて、潜在層向けの構成が効くかを検証できます。配信が自動変動するキャンペーンでは、期間比較で効果を分離できません。
ヒートマップ
流入元別に比較できるため、Demand Gen経由のユーザーだけがどこで離脱しているかを特定できます。潜在層は顕在層と読み方が違うため、この比較が有効です。
よくある質問
Q. ディスプレイキャンペーンはいつ使えなくなりますか?
A. 2026年6月から Demand Gen への移行が開始され、2027年に完了する予定です。 段階的な移行のため、時期はアカウントによって異なる可能性があります。Google広告の公式アナウンスを確認してください。
Q. 移行前に何を準備すべきですか?
A. ①動画クリエイティブの用意、②移行前の実績の記録、③コンバージョン計測の確認、④除外設定の引き継ぎ確認、⑤CV地点が潜在層向けになっているかの見直し——の5点です。とくに⑤を飛ばすと「成果が出ない」という結論になります。
Q. Demand GenのCVRが検索広告より低いのですが問題ですか?
A. 正常です。 まだ検索していない潜在層に配信するため、顕在層中心の検索広告よりCVRは低くなります。同じ基準で評価すると、止めるべきでないキャンペーンを止めることになります。
Q. CVが出ていないので止めるべきですか?
A. ラストクリックだけで判断しないでください。 Demand Genの貢献は指名検索や後日のCVとして現れることが多く、ラストクリック評価ではゼロに見えます。GA4のモデル比較(データドリブン vs ラストクリック)で差が大きいなら、間接的に貢献しています。
Q. ディスプレイと同じバナーを使えますか?
A. 使えますが、Demand Genは動画・ビジュアル重視のキャンペーンです。バナー画像のみでは配信の質が落ちる可能性があります。移行前に動画素材の準備を検討してください。
Q. LPは検索広告と同じでいいですか?
A. 同じにしないほうが成果は出ます。 潜在層は課題認識の手前にいるため、申し込み前提のLPでは落ちません。資料ダウンロードなど手前のCVを用意するか、記事LPを挟む設計が有効です。
まとめ
Demand Genについて、要点を整理します。
- YouTube / Discover / Gmail に配信する、潜在層向けの発見型キャンペーン
- ディスプレイキャンペーンは Demand Gen に統合される。2026年6月移行開始・2027年完了予定
- 「バナーを提携サイトに出す」から「フィードで見つけてもらう」への転換
- 移行前の確認は5つ。とくに動画素材とCV地点の見直し
- 移行後は成果指標の連続性が切れる。 移行前の実績を手元に記録しておく
- 除外設定がそのまま引き継がれるとは限らない
- CVRが検索広告より低いのは正常。 同じ基準で評価しない
- ラストクリックだけで判断すると、止めるべきでないキャンペーンを止める
- 見るべきは指名検索の推移・アシストCV・新規ユーザー割合
- 潜在層には手前のCV地点と記事LPを用意する
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- フォーム作成: 資料ダウンロードなど手前のCV地点を用意できる
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