「CVした人としなかった人で、行動がどう違うのかを知りたい」——GA4のセグメントを使うと、条件を満たすユーザーやセッションだけを抽出して比較できます。
ただし、3種類のセグメントがあり、どれを選ぶかで結果が変わります。 本記事では違いを整理したうえで、CVR改善にそのまま使える5つの型を提示します。
記事のポイント
- ユーザー・セッション・イベントの3種類のセグメントの違い
- どれを選ぶべきかの判断基準
- CVR改善に効く5つのセグメント例
- セグメントとオーディエンスの違い
- 比較結果からLPの何を直すか
目次
- GA4のセグメントとは
- 3種類のセグメントの違い
- セグメントの作り方
- CVR改善に効く5つの型
- セグメントとオーディエンスの違い
- 比較結果から何を直すか
- 注意点
- よくある質問
- まとめ
GA4のセグメントとは
セグメントとは、条件を満たすデータだけを抽出する仕組みです。探索レポートで使い、最大10個まで作成できます。
「全体のCVRは2%」という数字だけでは打ち手が出ませんが、「スマートフォンかつ広告経由のCVRは0.5%」まで絞れれば、直す対象が決まります。
3種類のセグメントの違い
ここを理解しないと、意図と違うデータが出ます。
| 種類 | 抽出する単位 | 例 |
|---|---|---|
| ユーザーセグメント | その条件に該当したユーザーの全行動 | 「一度でも購入したユーザー」の全セッション |
| セッションセグメント | 条件を満たしたセッションのみ | 「広告経由で始まったセッション」 |
| イベントセグメント | 条件を満たしたイベントのみ | 「特定ページでの click イベント」 |
違いが結果に出る例
「広告経由のユーザー」を見たいとき、どちらを選ぶかで数字が変わります。
- ユーザーセグメント — 広告経由で一度でも訪れたユーザーの、自然検索での再訪も含む全セッションが対象
- セッションセグメント — 広告経由で始まったセッションだけが対象
広告の費用対効果を評価するならセッションセグメントです。ユーザーセグメントを使うと、自然検索での再訪分まで広告の成果として集計され、数字が良く見えます。
迷ったらセッションセグメントを選んでください。 広告やLPの評価では、これが最も実態に合います。
セグメントの作り方
- 「探索」→ レポートを開く(または新規作成)
- 左側の「セグメント」の「+」をクリック
- 「カスタムセグメント」から種類を選ぶ(ユーザー / セッション / イベント)
- 条件を設定する
- 右上の「保存して適用」
作成したセグメントは、表の「列」にドラッグすると横並びで比較できます。この使い方が実務では中心になります。
探索レポートの基本操作は「【2026年版】GA4探索レポートの使い方|CVR改善に効く5つの型と作成手順を解説」で解説しています。
CVR改善に効く5つの型
白紙から考えず、この5つを作ってください。
型1: CVした / しなかったセッション
もっとも使うセグメントです。
- セグメントA(セッション): キーイベントが発生した
- セグメントB(セッション): キーイベントが発生していない
この2つを列に置き、ディメンションに「ページパス」を入れると、CVした人だけが多く見ているページが分かります。「導入事例を見た人のCV率が高い」といった発見につながります。
ただしこれは相関であって因果ではありません。 「事例を見たからCVした」のか「検討度が高い人が事例も見た」のかは区別できません。確かめるにはABテストが必要です。
型2: 広告経由 / 自然検索経由
- セグメントA(セッション):
セッションのメディアがcpcを含む - セグメントB(セッション):
セッションのメディアがorganicと等しい
同じLPでも流入元によってCVRは大きく変わります。 広告経由だけCVRが低いなら、広告文とLPのファーストビューがずれている可能性があります。
型3: スマートフォン / PC
- セグメントA(セッション):
デバイスカテゴリがmobile - セグメントB(セッション):
デバイスカテゴリがdesktop
スマートフォンの比率が高いのにCVRだけが低いというパターンは非常に多く見られます。この場合、改善対象はスマートフォン表示に絞られます。ランディングページ別に分解する手順は「【2026年版】GA4のランディングページレポートの見方|LP別にCVRを分解して改善につなげる手順」で解説しています。
型4: 初回訪問 / リピート
- セグメントA(セッション):
新規ユーザー - セグメントB(セッション):
リピーター
検討期間が長い商材では、初回でCVしないのは正常です。 リピートのCVRが低い場合のほうが問題で、再訪時に何が足りないのかを見ます。
型5: フォーム到達 / 未到達
- セグメントA(セッション): フォームページを閲覧した
- セグメントB(セッション): 閲覧していない
LPで納得されているかどうかの切り分けに使います。フォームに到達していないなら、直すのはフォームではなくLPです。
セグメントとオーディエンスの違い
混同されやすい2つです。
| セグメント | オーディエンス | |
|---|---|---|
| 用途 | 分析(探索レポート内) | 広告配信(リマーケティング) |
| 作る場所 | 探索レポート | 「管理」→「オーディエンス」 |
| 過去データへの適用 | される | されない(作成後から蓄積) |
| 上限 | 探索1つにつき10個 | プロパティあたり100個 |
もっとも重要な違いは、オーディエンスは過去に遡らないことです。 「カートに入れたがCVしなかった人」にリマーケティングしたい場合、作成した日以降のデータしか対象になりません。 早く作るほど有利です。
分析目的ならセグメント、広告配信に使うならオーディエンス、と使い分けてください。
比較結果から何を直すか
セグメント比較で差が出たら、次のように読みます。
| 差が出た比較 | 疑うこと | 直す対象 |
|---|---|---|
| 広告経由だけCVRが低い | 広告文とLPのファーストビューのずれ | LPの冒頭 or 広告のターゲティング |
| スマートフォンだけ低い | 表示崩れ・文字サイズ・ボタンの押しづらさ | スマホ表示 |
| フォーム未到達が多い | LPで納得されていない・CTAが見つからない | LPの内容とCTA |
| フォーム到達後の離脱が多い | 入力項目が多い・入力体験が悪い | フォーム |
| CVした人が特定ページを見ている | そのページの内容がCVに効いている可能性 | 導線の強化(要ABテスト検証) |
セグメントで分かるのは「どの条件のユーザーが悪いか」までです。 そのLPの中で何が起きているかは、ヒートマップの領域になります。役割分担は「【2026年版】GA4とヒートマップの併用方法|数値で絞り込み、行動で原因を特定する手順」で解説しています。
注意点
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 探索1つにつき10個まで | 上限がある。使わないものは削除する |
| データしきい値の影響 | 条件で絞ると母数が減り、数値が伏せられることがある |
| 母数が小さいと判断できない | セッション数が数十件では傾向として読めない |
| ユーザーセグメントは重くなる | データ量が多いと表示に時間がかかる |
| セグメントは探索内のみ | 標準レポートでは使えない |
特に3つ目が重要です。 セグメントで細かく絞るほど母数が減ります。「スマートフォン × 広告経由 × 初回訪問」まで絞ると、数十セッションになることがあります。その数字で判断しないでください。
よくある質問
Q. ユーザー・セッション・イベントのどれを選ぶべきですか?
A. 広告やLPの評価ならセッションセグメントです。ユーザーセグメントは「一度でも条件に該当したユーザーの全行動」が対象になるため、広告経由のユーザーの自然検索での再訪まで含まれ、数字が良く見えます。
Q. セグメントとオーディエンスの違いは何ですか?
A. セグメントは分析用(探索レポート内)、オーディエンスは広告配信用です。最大の違いはオーディエンスが過去データに遡らないことで、作成した日以降のデータしか蓄積されません。リマーケティングを予定しているなら早く作ってください。
Q. セグメントはいくつまで作れますか?
A. 1つの探索レポートにつき10個までです。上限に達したら使っていないものを削除してください。
Q. セグメントを適用したらデータが表示されなくなりました。
A. 条件で絞ったことで母数が減り、データしきい値が適用された可能性があります。期間を広げるか、条件を緩めてください。
Q. CVした人が見ているページが分かりました。そのまま施策にしていいですか?
A. 見えているのは相関であって因果ではありません。 「そのページを見たからCVした」のか「もともと検討度が高い人が見た」のかは区別できません。導線を強化する施策はABテストで検証してください。
まとめ
GA4のセグメントについて、要点を整理します。
- セグメントは条件を満たすデータだけを抽出する仕組み。探索レポートで使う
- 3種類あり、広告・LPの評価ならセッションセグメントを選ぶ
- ユーザーセグメントは「一度でも該当したユーザーの全行動」が対象になり、数字が良く見える
- 白紙から作らず、5つの型(CV有無 / 流入元 / デバイス / 新規リピート / フォーム到達)から始める
- セグメントとオーディエンスは別物。 オーディエンスは過去に遡らないため早く作る
- 探索1つにつき10個まで。細かく絞りすぎると母数が足りず判断できない
- 分かるのは「どの条件が悪いか」まで。ページ内の原因はヒートマップの領域
- 見えているのは相関。因果を確かめるにはABテストが要る
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