マイクロKPIは大体決まっている中で、定量分析に固執する必要性とは。
この記事でわかること
本記事では、マイクロKPIがほぼ決まっている中で定量分析にこだわり続ける必要性について解説します。サービスのCVRを改善したい方が、仮説の確度を高めるための定量分析の役割、改善すべきCTR要素の見つけ方、施策の優先順位をROIで判断する考え方、そして小さな工数で多くの施策を素早く市場検証することの重要性がわかる内容です。
記事のポイント
- 定量分析の目的は仮説の確度を高めることに限定
- 多くのサービスでファネル構造とマイクロKPIはほぼ共通
- CVR改善で改善すべきCTR要素は事前に特定可能
- 施策の優先順位はROI(改善値÷開発工数)で判断
- 工数を小さくして多くの施策を素早く市場検証することが最善
目次
- この記事の背景
- そもそもできないこと
- まとめ
この記事の背景
以前、この議論になったので自身の意見をクリアにしておくことも踏まえて投稿することにした。
勿論、その人のスタイルによるので「これがベストだ!」というものではない。
サービス改善の際になんのために定量分析をするのか
結論から言うと「仮設の確度を高めるため」に尽きると思う。
じゃあこの仮設の確度が高い状態ってなんなんでしょう。
例えば「このページでどこのページに遷移させる方がCVRが改善しそう」という問いに対して「なぜなら定量的にそれがわかっているから」という状態ですね。
けどマイクロKPIは大体同じじゃない?
これなんですよね。
例えば一覧画面であれば詳細画面へのCTR(遷移率)ですし、詳細画面であればフォーム画面へのCTRですし。
勿論、一覧画面でフォームへのCTRを高める方が結果的にCVRを改善させることもありますが、それならばそうすると良いだけの話かと思います。
要はベーシックに考えた時に、指定した画面内では構成する要素の種類数が選択可能な最大値なわけです。
例えばこういうサイトであれば7つです。(直帰率を減らすを含むなら8つです)

で考えた時にファネルはこうです。

このファネル構成自体はどこのサービスもそもそも同じかと思いますし、ここから考えた時に如何にフォームへの遷移量を増やすのかが鍵なのは言わずもがな。

であればやることはシンプルで一覧画面では詳細画面へのCTRがどうやったら増えるかを考えると良いです。
デザインを変えたり、キャッチコピーを変えたりを試していくわけです。
試していく過程で、詳細ではなくフォームへの遷移を増やした方がCVR改善するじゃんって思考にもなります。

そうするとこのような改善も1つです。
あとは「詳細画面へのCTRを向上させるべきか」「フォームへのCTRを向上させるべきか」バランスを検証していくだけです。
逆説的にいうとCVRを改善しようと思ったら、改善すべきCTRの要素は決まっている
上記の例のようなサービスは世の中かなりの数を占めています。
であればそれらのサービスは同じような目的のもと改善をしていくこととなります(順序や施策は変わりますが)。
なので個人的には改善すべきポイントが分かりきっているのに、「どこらへんを改善すべきか」という論点に固執する必要があるのか疑問です。
そもそもできないこと
この記事を書くことにもなった背景として「じゃあどれぐらいCTRが上がるの?」という論点にもなりました。
結論、それは分かりません。なぜならABテストをしたとして、どのタイミングでテストパターンにするかや、外的要因(例えばCMを打った、テレビで取り上げられた)によって左右されるからです。
参考値としてざっくり出すことはできますが、精緻にはまず出ません。
「じゃあどれぐらいCTRが上がるの?」という質問の背景を考える
これは優先順位をつけたいからだと思っていて、なぜ優先順位をつけたいのかを考える必要があります。
1つ目は「効率的に改善したい」、2つ目は「開発工数が少ない」ことが想定されます。2に関しては実践する施策を考えるときにROIを出すだけです。ここでのROIの考え方は以下です。
ROI
=効果/投資
=改善値/開発工数(工期)
=画面ごとのトラフィック×画面ごとのCVR/開発工数(工期)
これを施策ごとに算出し、ROIが高いものから実施すると良いです。
注意点としては画面ごとのトラフィックのみを固定し、画面ごとのCVRの見立て改善値を一定とした場合、トラフィックの少ない画面は何もできなくなってしまうことです。
これの最たる例が一部の画面だけ綺麗で使いやすいが、一部の画面ではかなり古く使いにくいデザインになるといったサービス内でのツギハギ状態です。
勿論、KPI上正しい戦略と言える場合もありますが、サービスのUXを考えた際に違和感を生み、ブランディングを毀損します。
そこはサービスの目指したい世界観を話し合うと良いでしょう。
まとめ
個人的にはサービスを改善するには、開発工数を小さくし、たくさん実施してことが最も効率的かつ確実だと考えています。なのでたくさん実施していく際にその都度「じゃあここがどれぐらい上がるの?」といった議論は時間が勿体無いので、だったらすぐに市場に出して検証した方が効率的だなと思います。たくさんできないのであれば、じっくり議論すれば良いかと思いますし、そもそも工数を増やせないかや、工数を小さくできないかを考えると良いんじゃないかと思います。
この記事の監修者
平井 翔吏
株式会社LeanGo 代表取締役CEO / Dejamプロダクトオーナー
CVRを改善するノウハウを体系化するプロフェッショナル。
株式会社リクルートホールディングスに新卒入社、ゼクシィのUXデザインを担当。累計250件以上の施策を実施しCVR改善を140%達成。タグ検索の開発やゼクシィ花嫁割のリブランディングなどのプロジェクトオーナーとして事業を推進した。
株式会社LeanGoを設立。CVR改善ツールDejamのプロダクトオーナー。運用型LPOやセグメントCVRなど独自のメソッドを構築、PDCAハンドスピナーをはじめとするプロモーションも実施している。日本最高峰のダイレクトマーケティングカンファレンス「ダイレクトアジェンダ2025」「ダイレクトアジェンダ2026」のAgenda awardにて2連覇。
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