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UI/UX改善

【2020年6月】結婚式場検索サイトのスマホUI・UXを比較してみた

ジューンブライドという言葉があるくらいなので結婚式のピークは6月だとばかり思っていたのですが。 調べてみたところ、2019年に行われた結婚式は多い順に11月、10月、3月でした。 参考:https://souken.zexy.net/data/trend2019/XY_MT19_report_06shutoken.pdf

主な理由は「連休が多いから」「気候が安定していて晴れの日が多いから」とのこと。 幸せになれるという言い伝えに関係なく、現実的な選ばれ方をされるんですね。

というわけで(?)今回は、結婚式場検索サイト大手4社のUI・UXを比べてみました。

ハナユメhttps://hana-yume.net/ウエディングパークhttps://www.weddingpark.net/みんなのウェディングhttps://www.mwed.jp/shikijo/ゼクシィhttps://zexy.net/

※Chromeのシークレット ウインドウから「結婚式場 検索」のキーワードでGoogle検索した際の上位4サイトです(2020年6月19日現在)。

結婚の予定がないわたしでも、かなり面白みを感じられる比較になりました。

【トップページ】ファーストビューのUI・UX

結婚(式)を「色」で表すと**「ピンク」**なんでしょうね。

わたしは先にサイトを見てしまったのですでに先入観が生まれてしまっていますが、感覚的にはやはりピンクだろうなと理解できます。 なので、4サイトのうち3サイトのメインカラーがピンク系なのに対し、1位に表示されたハナユメはなんとターコイズブルー4つ並べてみると違いが一目瞭然です。

ターコイズ(トルコ石)の緑がかった青色は心にうるおいと安定感をもたらし、不安や焦燥感を鎮めてくれるともいわれています。 たしかに最初の印象としては、ワクワクするというより落ち着く感じがありました。

ハナユメは季節によってカラーリングを変えるのかな?とも考えたのですが、ロゴも同じ色を使っているので固定のサイトカラーなのかもしれませんね。 とするとかなり大胆な差別化を図ったなと。

メインビジュアル(キービジュアル)から受ける印象(UX)

サイトの顔となるメインビジュアル領域から。

ハナユメ

ハナユメは2019年11月よりイメージキャラクターとして渡辺直美さんを起用しています。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001569.000001348.html

曰く**「芯のある現代女性の象徴」とのことで、「花嫁を代表して式場探しを体験し、それをシェアする存在」をイメージ**しているそうです。 横に並んでいる人が男性でなく同じ女性というところも大きなポイントで、**ターゲットは完全に「花嫁」**なんですね。

まず女性が選んで、男性に「ここはどうかな?」と提案する。 一緒になって決めるのは、いくつかに絞り込んだ式場を見学する段階なのではないでしょうか。

Webサイトや雑誌をふたりでのぞき込みながら検討するシーンも想像したのですが、結婚式場に限らずこういう決め方ってなかなか意見が一致しないんですよね…。 また、女性に選んでもらうというのは男性のちょっとした心遣いでもあるような気がするので。

ウエディングパーク

2番手のウエディングパークは、カルーセルで2枚の画像をバナーとして表示しています。 キャッチコピーもありません。

ちょっと夢がないかなという気もしないのと、**カルーセル(スライドショー)は「時代遅れ」ともいわれています。 https://parashuto.com/rriver/development/no-carousel-no-on-apple-website 上記サイト内では「2枚目以降のクリック率が1%」**という結果が示されています。個人的にも「カルーセルが自動送りされるのを待つ」ことはしないですね。 自動で切り替わった画像が表示されるころには目線はすでに下へ向いているという。 UXの観点でも納得のいくものです。

ユーザーを誘導するナビゲーションとして自動送りのカルーセルは機能しないというデータがあることは、UIデザイナーやWebデザイナーの方はぜひ覚えておいてください。

みんなのウェディング

3位はみんなのウェディングです。

みんなのウェディングはハナユメと対照的に、「ふたりで」を前面に打ち出した画像とコピーで構成されています。 こちらは、先述した**「Webサイトをふたりでのぞき込むカップル」をペルソナにしている**のではないでしょうか。

ハナユメを見た直後だからかもしれませんが、このサイトを「ひとりで見る」ということになんとなく抵抗感があります(結婚するわけじゃない自分でさえ…)。 とにかく「ふたりで」というメッセージが強く、ハナユメとの差別化としてうまくブランディングしているイメージです。 シンプルながら練りに練られたメイン領域のような気がします。

ゼクシィ

最後はデータ提供元であるゼクシィです。

ゼクシィのCMガールはとにかく豪華なことで有名ですが、今は13代目の堀田真由さん(女優・モデル)を抜てきしています。 …という背景を知っていると、なぜこんなに人物推しなのかがわかってきますね。 リクルートという大きな会社が運営しているということもあり、CMとの連動と認知度の向上を狙っているのでしょう。

ハナユメのインパクトも強いですが、ゼクシィはファーストビューのほとんどをメインビジュアル が占めており、記憶に残りやすいです。

一点だけ気になるのは、配色。 ピンクの背景にピンクのテキストとロゴ、ボタン。 ボタンのテキストは白なのでまだ読めますが、そのほかのテキストはちょっと視認性が低いです。 ブランディングに凝りすぎるあまり、見づらいビジュアルだなと感じました(というUX)。

トップページ全体のUI・UX

それでは肝心のUI・UXについて。

ハナユメ

ファーストビューには大きく5つの動線があります。

・結婚式場を探す ・プロに相談する ・検索フォーム(会場名・駅名) ・チャットボット ・ハンバーガーメニュー

これらすべてを一画面にすっきりと収めている点は優れたUIといえるでしょう。

自分の中に花嫁を降ろして考えてみたのですが(39歳男性)、やはり最初は**「地域から探す」でしょうね。 それ以外の選択肢だと「すでにあたりをつけている式場の情報に直接アクセスする」「なにもかもわからないのでとりあえず専門家に相談したい」**というふたつ。 これらすべてが完全に網羅されており、ニーズにうまく応えている印象です。

また、唯一チャットボットが設置されていたのがハナユメでした。 電話相談をすると営業がしつこそうなので(あくまで個人の主観です)、チャットは好まれそうな気がします。 別のことをしながら片手間でできますし。 女性がひとりで探す際のUXをよく考えているなと。

唯一気になるのは、ゼクシィの調査結果であきらかになっている**「挙式形式が式場決めに大きな影響を与える」という点です。 キリスト教式(教会式)、神前式、人前式とそれぞれに憧れを持って決めるカップルが半数近くいるため、「形式で決める」選択肢があってもよい**のかなと感じたりはしました。

が、「結婚式場を探す」の遷移先で挙式形式を選ぶこともできるので、一応それも押さえてはあります。 海外か国内かという大きな選択肢以外はまず最初に地域を絞り込むでしょうし。 マイナスではないですが、しいていうなら、でしょうか。

ウェディングパーク

ファーストビューでは検索フォームとハンバーガーメニューのみです。 かろうじて下に「こだわりから探す(挙式形式含む)」「エリアから探す」のタブが見えるのですが、デバイスによっては入らないかもしれません。

気になるのは、ファーストビューの一番目立つところに鎮座している**「はじめての方へ」というバナー**。 タップするとサイトの説明ページに遷移するのですが、サイトの説明ページってスマホの契約書と同じくらい見ないと思うんです…。 「サイトの説明ページを見なければサイトのことがわからない」というUIであれば、設計としてあまりに不親切すぎるかなと。 モバイルサイトは直感的に操作できなければモバイルであることのメリットが失われます。

あとは、「クチコミ投稿で最大6,500円(分のポイントなど)プレゼント」であったり、こだわり条件の中の「格安結婚式」であったり、他の3サイトよりオカネのことに触れている印象を受けました。

メインビジュアルの部分で「夢がない」と書きましたが、UXの観点でいえばあまりワクワクせず、なんとなく「結婚式挙げなきゃ…」という人をターゲットにしているか、もしくはそういう層が集まりそうな雰囲気のサイトだなと。 作業的な感じというか、キラキラした結婚式を望んでいる女性は選ばないかもしれません、とわたしの心の中のイマジナリー花嫁が申しております。

みんなのウェディング

一言でいうと「独特」。

5つのグローバルメニューはこんな感じです。

・結婚式場(わかる) ・ニュース(トレンド情報かな?と思いましたがタップしたらオウンドメディアでした) ・ドレス(わかる・そしてこのブランチを持っているのは◎) ・デスク(わかりにくいですが、オペレーターのアイコンなので想像できました) ・花コミュ(さっぱりわかりませんでした。「花嫁コミュニティ」の略で、準備や当日の様子を投稿したりQ&Aをまとめたりしています)

そのほか、検索フォーム(アイコンをタップ)、ハンバーガーメニューがあります。

わたしのデバイスではファーストビューの下にかろうじて見えるのですが、**「結婚式のつくり方」**と称した3ステップのボタンがあります。

・step1:イメージづくり ・step2:結婚式探し ・step3:結婚式準備

「イメージづくり」をタップすると、好きな写真を選ぶだけで理想の結婚式を「ウェディング診断」してくれるというオリジナル機能。 Twitterではおなじみ、**日本人が大好きな「診断」**ですよ!

写真は数えてみたら300枚ありました、すごい…。 この中から6枚を選択するのですが、この診断が「挙式形式」を内包しています。 そしてこの診断結果は「MY WEDDING NOTE」として登録でき、その内容をもとにアドバイザーが式場を提案してくれるという仕組みです。 きれいに流れるようなユーザー体験ですね…。

「ふたりで決める」というコンセプトで作られているサイトなので、UX設計もそれにうまく合わせている印象を受けました。 ファーストビューに収まらず、「イメージづくりをタップさせる」という大きなハードルこそありますが、ふたりで閲覧しているのであればサイトの滞在時間は比較的長いのではないでしょうか(=じっくり見る)

ちなみにstep2は「エリア検索」「みんなで探す(Q&A)」「アドバイザーに相談」という動線。 step3は「やることリスト」やグローバルメニューにあった「ドレスを探す」、式中の演出を考える情報の提供がメインです。

よほどエンゲージメントが高まっていないとstep3までは到達しないのと、次のstepに直接遷移できないので必要に応じてその都度アクセスする必要があり、そこは課題かもしれません。 が、繰り返しになるものの「ふたりで決める」カップルが対象なので、最初にうまくユーザーを握ってしまえば式場選びだけでなく結婚式全体にまで関与できます。 ドレス選びなどがまさにそれですよね。

調べてみたところ、みんなのウェディングはドレスや婚約・結婚指輪、前撮りなどのブランド・ショップと提携しているようで。 「みんなの」と冠するようにクチコミも重視しているので、サイト内の回遊やブランド・ショップページへの誘導もそれなりにあるのではないかと。

結婚式場検索サイトのUIやUXを高めながら結婚式という一大イベントのCXまでもうまく考えられているなあと感心しました。

ゼクシィ

最後はゼクシィです。

・ブライダルフェアから探す ・エリアから探す ・検索フォーム ・ハンバーガーメニュー

「ブライダルフェア」を一番最初に目に入るところに持ってきているのは斬新ですね。 (ブライダルフェアとは、結婚を予定しているカップルや家族を対象に、ホテルや結婚式場が開催する試食会やドレス試着などのイベントです)

地域を選択→来館日・フェアの内容・詳細エリアを選択すると、かなりの数のフェアが表示されます。

ブライダル業界ってこんなに激戦区なのか…!

営業はリクルートの専売特許のようなものなので、こういったフェアを握ってくるのは得意中の得意なわけです。 なので自社の強みを生かした独自メニューにしているということですね。

実際、Webサイトを隅々まで眺めて相談するより実際に体験したほうが早いと感じるユーザーも少なくないはずなので、この差別化は大きいでしょう。 他社の追随を許さない圧倒的な営業力を見せつけられました…。

Webサイトの立ち位置も他の3サイトと大きく異なり、オンラインで相談できるサービスが少なくともトップページには見当たりませんでした。 コロナウイルスの件が頭をよぎりましたが、そもそも結婚式自体がオンラインで代替できないものなので、いっそ相談サービスも潔くオフラインにしてしまおうというスタンスなのでしょう。 個人的にもオンラインだけで結婚式場を決めるということはおそらくだろうと想像するので、オフラインを貫くことでネガティブなUXを誘引するということにはならないと考えます。

結婚式場検索サイトのUI・UXまとめ

本当は下層まで解説したかったのですが、さすが人生の一大イベントである結婚式に関する検索サイトなので、情報量が…多すぎる…! 逆にいうとトップページだけでサイト戦略が丸わかりで、調べていてかなり面白かったです。

ハナユメ: ・新婦が先に調べて新郎にチョイスしてもらうという力関係のあるカップル向け。 ・ユーザーは完全に女性対象で、サイトデザインや個性的なキャラクターを起用して他サイトと大きく差別化を図っている。 ・サイトUIは機能的にも優れ、オンラインのメリットを生かして快いUXを実現。

ウェディングパーク:

・商業的な印象が強く、ある意味「検索サイト」らしい検索サイト。 ・「格安結婚式」などの他サイトにない条件、「結婚式でお悩みのカップルへ」というコンテンツなどから察するに、結婚式を「挙げなければならない」という、必要に迫られたカップルをターゲットにしているのではないか(ただしその需要は少なからずあるはずです)。 ・UIは流行からやや遅れており不便ではないが無駄がある。

みんなのウェディング:

・「最初から最後までふたりで決める」というCX設計のもとサイトやサービス全体が緻密に構築されている。 ・ふたりで一緒に相談しながら、他カップルの意見も参考にじっくり決めたいカップルがターゲット。 ・「ウェディング診断」や「ドレス・指輪の検索」など独自の機能が豊富で、UIには改善の余地があるものの、うまく誘導できればUXはさらに高まるはず。

ゼクシィ:

・自社の強みである営業力を最大限に生かして、「ユーザーを巻き込む」プッシュ型ともいえる検索サイト。 ・オンラインの機能をあえて削ぎ落とし、オフラインのサービスを強化。 ・検索サイトで調べるより、気になった会場に直接行って試食や試着などの体験をしたいアクティブなカップルがターゲット。

調べる前はどこも似たり寄ったりでは?と感じていたのですが、調べてみると完全に棲み分けされていることがわかります。 不動産検索サイトのように複数のサイトを併用するより、ご自身(というかおふたり)のご状況や考え方などに合わせてピンとくるものをお使いいただくことがよろしいかと! 結婚の予定はないものの、UI/UX、ひいてはCXを考える上でとてもよい学びになりました。

この記事の監修者

平井 翔吏

平井 翔吏

株式会社LeanGo 代表取締役CEO / Dejamプロダクトオーナー

CVRを改善するノウハウを体系化するプロフェッショナル。

株式会社リクルートホールディングスに新卒入社、ゼクシィのUXデザインを担当。累計250件以上の施策を実施しCVR改善を140%達成。タグ検索の開発やゼクシィ花嫁割のリブランディングなどのプロジェクトオーナーとして事業を推進した。

株式会社LeanGoを設立。CVR改善ツールDejamのプロダクトオーナー。運用型LPOやセグメントCVRなど独自のメソッドを構築、PDCAハンドスピナーをはじめとするプロモーションも実施している。日本最高峰のダイレクトマーケティングカンファレンス「ダイレクトアジェンダ2025」「ダイレクトアジェンダ2026」のAgenda awardにて2連覇。

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