目次
第19回 アドフューチャー交流会レポート
テーマ:広告代理店と事業会社が共創するには? 価値あるマーケターの仕事術を公開議論
開催日:2025年7月24日(木)

AIによるレポートの要約
原文を読みたい方はページ下部をご確認ください。
広告費連動型モデルの限界とは
第19回を迎えたADFUTURE交流会は「広告代理店と事業会社が共創するには」をテーマに開催。
登壇者は、20年近く広告業界で活動しGoogle Ads Expert(国内3人目)に認定された株式会社JADE Director/CCO 小西氏と、ゼクシィのWebデザイナーとしてコンバージョン改善実績を持ち、現在はマーケティングサクセスツール「DEJAM」を開発・運営する株式会社LeanGo CEO 平井が登壇 。
参加者とともに、広告費連動型料金体系の課題、運用者の役割拡張、さらには大手メーカー案件の成功事例が議論されました。
小西一星氏(JADE):広告運用者の価値と拡張領域

広告費連動型の課題
- 高額案件でも作業量が少ないケース:例)500万円広告費で入札管理のみ→手数料100万円
- 低額案件で高付加価値なケース:例)30万円広告費で市場価値の高い成果を創出
この“費用と価値のアンバランス”こそが広告費連動型の構造的課題だと小西氏は指摘。さらに、年度末の「予算消化型広告運用」が非効率を生んでいる現状を共有しました。
運用者の優位性
小西氏は「広告運用者こそが最もクライアントに貢献できる」と強調。

- 継続的な関与:半年〜数年単位で改善に寄与
- 予算配分への影響力:広告費の使い方を提案できる立場
- 即時トラフィック創出:当日から数千クリックを動かせる唯一の存在
GTM・GA4を軸とした新たな付加価値
小西氏が推奨する拡張領域は以下の通り:
- GTM(Googleタグマネージャー)
不要タグの削減(最大30%)、誤送信防止、ページスピード改善 - GA4(Googleアナリティクス4)
参照元別セッション変動分析、UTMパラメータでのキャンペーン評価、行動パターンからの回遊導線最適化 - 広告データ統合
GA4への広告費データインポートによる統合的なアトリビューション分析
平井翔吏(LeanGo):段階的アプローチで拡張するマーケ支援事例

LP改善からECサイト全体へ
平井は大手エネルギー関連メーカー案件を紹介。
- 第1段階:LP制作+検証
複数導線をA/B/C/Dテスト → 主要導線以外が勝利、110〜120%改善 - 第2段階:ECサイト全体へ展開
LP改善ノウハウを全体に適用 → 200%改善、18ヶ月間未達の目標を一気に達成 - 第3段階:ビジネスモデル改革
買取型 vs 販売型を分析 → 10倍市場ポテンシャルを発見、経営レベルへ提案
成功要因
- 小さな成功から信頼を積み上げる段階的アプローチ
- 依頼範囲を超えて周辺課題を能動的に発見・提案
- 過去案件の失敗から学び、現実的な提案を実施
- 短期的成果ではなく中長期的価値を重視
ディスカッション&質疑応答

社内政治への対処
- 平井:「キーパーソンとの信頼構築が最重要。移動してでも対面で提案。」
- 小西氏:「政治的案件は避ける。外部コンサルの“空気を読まない”提案も有効。」
代理店/マーケターの選定基準
- 小西氏:現実離れした数値保証をする業者は避けるべき
- 平井:戦略思考・交渉力・専門スキルを構造化面接で評価
プラットフォーム選定の新常識
- 「媒体間の差は小さくなりつつある。成果を分けるのはLP設計と顧客体験」
料金設定の目安
- 双方:「50〜80万円が支払いやすいライン。長期契約での価値提供が前提」

まとめ
- 技術力の横展開:GTMやGA4で運用者の提供価値を拡張
- 段階的関係構築:小さな成果から信頼を積み上げ、大きな改革へ
- 全体最適の視点:クライアント事業全体を俯瞰するアプローチ
- 継続的価値創出:単発ではなく改善サイクルを構築
広告代理店と事業会社が真に「共創」するためには、従来の枠を超えた付加価値の提示と、クライアントビジネスの深い理解が不可欠であることが明確になったセッションでした。
レポート原文
盛り上がってるところ恐縮なんですが、そろそろ始められたと思います。始めますね。第19回Future交流会「広告代理店と事業会社が競争するには」というテーマで始められたと思います。よろしくお願いします。毎回のごとくですが5分遅れということで、この交流時間は極力ご留意いただきたいので、この登壇時間は短くできたらと思います。
登壇者紹介です。今話したのが、株式会社LeanGo代表取締役の平井と申します。よろしくお願いします。一応この回も19回で、リピートしていただいている方もいらっしゃると思うんですけど、簡単に自己紹介します。前職はリクルートでゼクシィのWebデザイナーをやってまして、いわゆるグロースハックですね。ゼクシィのコンバージョンを140%改善するみたいなことをやって独立し、DEJAMというプロダクトを作ったり、コンサルティングをしている人間です。
こんにちは、株式会社JADEの小西と申します。私はもう20年近く広告に携わってきて、2019年に「もっとWebコンサルティングをやりたい」と思って株式会社JADEを立ち上げました。今は広告、SEO、解析など幅広くやっています。よろしくお願いします。
今日、広告代理店の方はどのくらいいますか? 大体3割くらいですね。では、早速本題に入ります。ちょっと代理店さんに嫌われるような話をするかもしれないですが、「そんな見方もあるよね」くらいに受け取っていただければと思います。
私は広告を長くやっていまして、Google Adsのコミュニティでも2012年に日本で3人目のExpertに認定されています。古株です。広告以外にも周辺領域を手がけてきていて、SEOの依頼も多いです。今日は「広告費連動型料金体系は本当に今も適しているのか?」という話をします。
昔は純広告が中心で、リスティング広告が出てきて「クリック課金型」が主流になった。2007〜8年頃から運用型広告が浸透してきました。けれど「使った費用と広告主が得る価値は必ずしも比例しない」ことが大きな問題だと思っています。例えば——
- 広告費500万円(ほぼ指名検索) → 運用手数料100万円。でもやっているのは入札管理だけ。
- 広告費30万円(一般名詞検索やディスプレイ) → 手数料6万円。でも実際は高い事業価値を生み出す。
こうしたアンバランスが起きている。だから広告費連動型モデルはきれいに機能していないんじゃないか?という疑問があります。
一方で、広告運用者は実はとても価値を発揮できるポジションにあります。
- 継続的に関与できる(半年〜数年にわたり改善に貢献できる)
- 予算配分を提案できる(広告費の使い方を左右できる)
- 即時にトラフィックを生み出せる(当日から数千クリックも可能)
こうした強みを活かすために、広告運用者は広告以外の周辺領域にも手を伸ばすべきです。例えばGTM(Googleタグマネージャー)で不要タグを削除してページスピードを改善したり、GA4で売上減少の要因を分析したり、ブログ記事の貢献度を測定したり。こうした取り組みは直接的にクライアントの成果につながります。
さらに、GA4に広告費用データをインポートすれば、全チャネルで統合的に成果を分析できます。広告運用者がここまでできれば、単なる「運用者」から「ビジネス成長を支えるパートナー」に進化できる。これが私からのメッセージです。
続いて、平井から具体的な事例を共有します。
——
私からは「日本のエネルギー関連メーカーのマーケティング支援事例」を紹介します。きっかけはDirect Agendaというイベントでの優勝でした。そこから「LPを作ってほしい」という依頼を受けたのですが、予算は少なく納期も短い。ですが引き受けてみたら、新しい学びが多くありました。
最初はLP制作だけの依頼でしたが、「ECサイトの導線を検証した方がいい」と提案しました。するとA/B/C/Dテストで主要導線以外が勝利。改善率は110〜120%。このノウハウをEC全体に適用したところ200%改善し、18ヶ月未達だった目標を一気に達成しました。
さらに、ビジネスモデルを分析した結果、クライアントが想定していた逆のモデルに10倍の市場ポテンシャルがあることを発見。事業本部レベルでの構造改革につながりました。
成功の要因は以下の通りです。
- 小さな成功を積み重ねて信頼を構築する
- 依頼された範囲だけでなく周辺課題を能動的に発見・提案する
- 失敗から学び、現実的で着実な提案をする
- 短期成果だけでなく中長期的な価値を見据える
こうした取り組みを通じて、単なる制作業務ではなく、クライアントのビジネス全体を改善するパートナーになれると考えています。
——
質疑応答では「社内政治をどう乗り越えるか」「代理店やマーケターをどう選ぶか」「媒体選定の考え方」「コンサル費用の適正価格」など、実務に直結する質問が多く寄せられました。特に「100万円を超えるコンサル契約は稟議が通りにくい」「50〜80万円が支払いやすいライン」という価格感の共有には、多くの参加者が頷いていました。
最後に記念撮影を行い、第19回ADFUTURE交流会は終了しました。