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2024年8月23日(金)に東京にて第6回AD FUTURE交流会を開催しました。
ADFUTUREとは?
「トレンドを集約し、広告業界の未来を先読み。」をコンセプトとしたイベントです。業界の最前線で活躍するプロが実践から得た知見やノウハウを共有しております。
第6回目となる今回のテーマは「手数料/固定報酬ビジネスからの脱却 〜成功報酬ビコンサル、実際どうなの?」。
イベント詳細
- 日程:2024年7月19日(金)
- 会場:東京都渋谷区渋谷2-14-13 岡崎ビル
- 会費:1人あたり2,000円
今回は業界の最前線で活躍するプロの方々によるトークセッションがメイン。
東京の気候は以前みたいに35度を超える日は少なくなりつつも、この日は日中の暑さが残る夜でしたが、この交流会でしか聞けないディープな話に興味を持っていただいた方が多くご参加いただきました。
特に今回は広告業界で永遠と議論されている「手数料がいいか?」「固定報酬がいいか?」について。
従来より広告ビジネスの契約形態は、そのほとんどが手数料契約として広く浸透しておりました。しかし、近年は手数料ビジネスそのもののあり方を見直す動きも増えています。背景としては「本当に広告主にとってその契約形態が理想なのか?」という考え方。そうした中で「実際はどうなの?」みたいな生々しい話について興味がある人は多いはず。
ご来場いただいた皆さま全員、登壇者の話を聞き漏らすまいと少々前のめりで良い緊張感の中でのスタートとなりました。
登壇者の紹介
まずは弊社CEOの平井から。
株式会社LeanGo CEO
平井 翔吏
2017年に株式会社リクルートホールディングスに新卒入社し、ブライダル事業のUXデザインを担当。
グロースハッカーとして累計250件以上の施策を実施しCVR改善を140%達成、新規機能の開発などを行った。
2020年に卒業し、同年4月に「社会の居心地をよくする」ことをパーパスに株式会社LeanGoを設立。
培ったノウハウを元に自社プロダクトDEJAMを着想、現在は機能を拡張するために生成AIの研究や事業データの可視化の検討に注力している。
続きまして株式会社wevnalの代表取締役、磯山様のご紹介です。
株式会社wevnal 代表取締役
磯山 博文
2011 年株式会社wevnal を創業。SNS 特化の広告代理事業を行う。
LTV 最大化を実現するチャットサービス「BOTCHAN 」を開発運営。
シリーズB で累計26 億の調達と広告事業譲渡。現在Microsoft 社と連携、生成AI 領域に注力日本有数のAI メディア「AI-SCHOLAR 」運営。
当時、磯山様がGMOに新卒で入社された2008年ごろはiPhoneの登場もあり、インターネットが生活者の身近な存在になりつつありました。発信される情報も企業やメディアが中心の時代から、スマートフォンを通して生活者が主体となり、世の中が一気に変わってくるタイミングで、「プロダクト中心にサービスを展開するのではなく、トレンドに合わせてビジネスを展開していくこと」を目指し、株式会社wevnalを創業されたとのことです。
創業当時、トレンドになりつつあったSNS特化型の広告代理店事業を中心に業績を伸ばしていく中で、マージン(手数料)や固定費の部分だけでは、業界で先を行く競合の広告代理店に勝てないのでは?と思い、LTVやチャットボットを使ってCVR改善するような自社独自の強みを作ろうと決意。その後に立ち上げた成果報酬型サービスの話、合計26億円を資金調達した話もしていただきました。
さらに、業界でも大きな話題になったSNS広告事業をホットリンク社へ事業譲渡した話の背景など、ここでしか聞けないような話を最初の自己紹介のタイミングで頂戴しました。収益の柱だった広告代理店事業からプロダクトに絞る決意の話は非常に興味深く、時間にしては短い紹介でしたが磯山様からにじみ出る覚悟を決めた言葉の1つ1つは、ご参加いただいた皆さま含め会場全体が引き込まれていきました。
https://wevnal.co.jp/news/525/
そして、磯山様からBOTCHAN(ボッチャン)のご紹介。
マーケティングで重要なのは集客だけではなく、集客したお客様がいかに商品やサービスを理解してもらい購入してもらうかといったCVR、購入後にいかにリピートしていただくのかといったLTVなど、様々な要素が絡みます。そのため、マーケティング担当者もどこに注力をすればいいのかが整理しきれず、ツールも煩雑化して選定するだけでも一苦労。。。
そういった問題をBOTCHAN(ボッチャン)はワンストップで解決できます。
BOTCHAN Engagement/EFOの活用例のご紹介。
BOTCHAN AIの活用例のご紹介。
BOTCHAN(ボッチャン)は様々な機能が搭載されており、ブランド体験(Brand Experience)の向上を通してLTVの最大化を実現できるツールとなっております。BOTCHAN(ボッチャン)を初めて知った方はもちろん、「以前は使ったことがある」や「導入を検討したことがある」など、当時とは違った形で機能追加とアップデートを繰り返しているので、少しでも気になった方は株式会社wevnal様へご相談ください!
続きまして、株式会社senjinholdingsの取締役、加藤様のご紹介です。
株式会社senjinholdings 取締役
加藤 修慈
2019年株式会社senjinholdings創業から広告事業を立ち上げ、2年で売上規模数十億へ。
成果報酬型として、クライアント様が低リスクで広告を受注するモデルでの獲得を得意とし、クライアント様の売上+3000%を達成。
「マーケティングの最前線で事業を創造する」をミッションとして、広告、SEO、SNSの3軸での集客支援、マーケティングを活用した地方創生事業を行っている。
加藤様は東京大学在学中の20歳のときに大学の同級生3名で起業をされたとのことです。
元々は仮想通貨のメディアをやっており、売却してから成果報酬型のサービスを開始。
支援領域はLPOからEFO、クリエイティブや広告領域もやりつつ、ワンストップで支援しているため、スピード感もあり、クライアント様の売上+3000%を達成されたとのこともあるそうです。成果報酬型なのでクライアントは低リスクで依頼がしやすいため、多くの企業様から引き合いも多い。
株式会社senjinholdings様の強みは大きく2点。
1点目は、自動化領域の拡張による効率化の徹底です。
昨今は広告代理店の慢性的な人手不足により広告運用の自動化ツールが開発されたりしておりますが、株式会社senjinholdings様では独自の勝ちパターンをルール化したボットを開発して、効率化を図っているとのことでした。
2点目は、自社のメンバーです。
起業した東京大学の同級生を筆頭に会社にリファラルなどで紹介する社員も後輩の東大生だったり、メンバーも早慶出身の方も多く、ベーススキルが優秀な方が揃っているとのことでした。経営者が自信を持って自社の強みが会社のメンバーであると強く主張できるのは、メンバーにとっても励みになりますね。
お客様の成果を第一に考え、今のフェーズや商材の状況では「成果報酬型がいいのか?」「予算型がいいのか?」から考えられているそうです。新規事業や新たなチャネル拡大としてWeb広告を検証的に実施する場合は成果報酬型が広告主にとって低リスクで実施できるので人気が高いです。とはいえ、第一はお客様の成果。それにコミットする。
主にデジタル領域のマーケティングで悩んでいる事があれば株式会社senjinholdingsへご相談ください。
手数料/固定報酬ビジネスからの脱却 成功報酬コンサル実際どうなの?
メインテーマについて、登壇者の皆さまでディスカッションを行っていただきました。
「他では話せないココだけの話」もあり、全ての内容を公開はできませんが、「手数料ビジネス」、「固定報酬ビジネス」、「成果報酬ビジネス」について第一線でご活躍されているプロの皆さまの様々な視点からご意見を頂戴できましたので整理しました。
①手数料ビジネスのココってどうなの?
・広告費が大きくなるほどクライアントから手数料の減額交渉が入ることた辛いがどうすればいいか
・成果を出すこと前提ではあるが効果検証でも実施できることが良いのではないか
・広告手数料じゃなくクライアントの成果に課金するビジネスが理想なのではないか
手数料ビジネスのイメージとして、例えば広告費が100万円だとした場合、手数料として広告費の20%で契約すると合計が120万円(内掛け)となります。手数料分の20万円が支援者側の粗利益となり、広告費が高ければ高いほど、粗利益額が高くなります。Web広告が登場する前のテレビや新聞などが中心の時代から手数料ビジネスが今でも残っており、広告の取引の中心が手数料ビジネスとなっております。
②固定報酬ビジネスのココってどうなの?
・今は広告費のマージンではなくアサインする人の人件費で広告などをやるコンサルティングビジネスも増えつつある
固定報酬ビジネスのイメージとして挙げられるのがコンサルタントです。例えば、1人あたり100万円/月で契約し、その中で広告やクリエイティブ制作などをやる契約形態のことです。従来は広告以外の領域でコンサルティング契約(固定報酬ビジネス)が多く見られましたが、最近は広告業界でもクライアントから求められる領域の幅と深さも変わりつつあり、コンサルティング契約するケースも珍しくありません。
③成果報酬ビジネスのココってどうなの?
・獲得(成果)を取ることがだけを求めていないクライアント(LTV最大化など)とは目線が合わせづらいことがある
・以前よりも参入業者も増加傾向であり、クライアントが求めるケースも増えてきた
・成果報酬でもBtoBでCVは発生しても成約まで繋がらないのでCPOは変わらないケースも多い
・成果報酬の撤退ラインはどのように決める?
・成功報酬型のビジネスで採算が合わない割合はどのくらいあるのか?
・成果を出す確率を上げる広告運用とクリエイティブの組織の考え方
成果報酬ビジネスは成果(CV)が発生した分のみの契約料(獲得単価×個数など)を支払うケースです。アフィリエイトが例として挙げられます。広告主にとっては低リスクで始められるため、根強い人気がございます。
他にも上記3つのテーマ以外に様々な視点から議論がなされました。
こうした形で第一線でご活躍されている皆さんの議論を聞きながらも、改めて1つのテーマについて深堀りして考えてみると違った見え方や気付きも多いです。なんとなく頭の片隅にあったモヤモヤを登壇者の皆さんが言語化してくれているので、スッキリした気持ちになったのは会場にいたLeanGoメンバーだけではなく参加者の皆さんも同じだったはず。
特に今回の大きなテーマでもある「成果報酬と手数料のあり方」について。どちらが正解というわけではなく、クライアントが求めているフェーズによって変えることが最適解なのかもしれません。例えば、スタートアップ企業などはどうしても潤沢なマーケティングの資金が用意できないため、テストマーケティング的な意味合いで広告を実施する場合に手数料契約ではリスクが大きい。可能ならできる限り余計なリスクは最小限に抑えたいのはどの企業も本音のはず。そういった背景の中でリスクを抑えながら成果報酬契約で自社の商品やサービスが世の中へ伝わる世界が広がれば、もっと社会が良くなるサービスが次々に生まれそうな予感がしました。
この他にも経営者の御三方から組織運営の貴重なお話も頂戴できました。
例えば、磯山様がおっしゃっていたwevnal社が広告代理店事業からSaaS事業に振り切った際に変えたことについて。事業の柱である広告代理店事業を手放すのは社員にとっても不安は大きかったはず。とはいえ、会社として業績を伸ばしていくためには現状を変える部分も必要。評価基準もSaaS事業に振り切えたタイミングで変えつつ、広告代理店事業の時代のようにエース社員の活躍を筆頭に勢いを出す形ではなく、平準化や仕組み化を徹底してやり続ける組織に変えていったとのこと。いわゆる組織カルチャー自体を事業の転換とともに変えていったそうです。
広告代理店は自社のメインビジネスの代理店事業を伸ばしつつも、wevnal社みたいにサービスを開発して売上の第二の柱にしたい会社も多いはず。BOTCHAN(ボッチャン)の開発を行う上でどういった背景があったのかなど、事業開発の話も書籍にしてもいいほどの話で引き込まれてしまいました。
交流会
登壇者と参加者の皆さんで記念撮影を行いました。
交流会も参加者の皆さん同士で業界のこと、勉強会の追加質問など、様々な議論が飛び交っていました。
参加者の感想
(参加企業抜粋..株式会社アドウェイズ、株式会社SUPER STUDIO)
・成功報酬型での良い店、悪い点が知れた
・生の話を聞くことができたところ
・成果報酬型に関するリアルなお話が聞けたので良かったです。
・トークテーマはもう少し幅広く準備があると面白かった
・大変勉強になりました。ありがとうございました!
アンケートにご回答いただいた皆さま、誠にありがとうございました!
次回は9月20日(金)に開催予定です!
【新興マーケティング支援会社が提唱するこれからの支援の形】をテーマにお届けします!
引き続きよろしくお願いします!